第16話 ゲリラ豪雨の嫁入り

文字数 141文字

 ゲリラ豪雨の中にキツネを見た。駅のホームで滝のような雨を眺めていた時だった。
 線路に降る雨粒の動きが一部だけ波打つように揺らいでいた。揺らぎはホームの奥から始まり、俺の前を通り過ぎた。
 その一瞬、揺らぎの形が白無垢を着たキツネに見えた。
 揺らぎがホームを去り、ゲリラ豪雨は止んだ。
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