第7話 本家の松原

文字数 141文字

 朝もやがこちらにも溢れてきそうな松原の山水画だ。俺の身長よりも高い二曲一双の屏風は、本家の和室と異次元の松原を繋いでいる。
 祖父はよくひとりでこの松原を眺めていた。脳溢血で倒れたのも、この松原の前だった。
 俺は祖父の定位置に正座をする。
 途端に俺は湿った土と松葉の香りに包まれた。
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