第3話 図書館で彼を読む

文字数 141文字

 雨音だけが響く大学図書館には彼と私しかいない。
 彼は眠そうに受付でパソコンと向き合っている。あくびを噛み殺す時にできるえくぼが彼をより魅力的にみせる。
 声をかけようとは思わない。彼から私として認識されるのは苦痛だ。きっと変な女としか思われない。
 私は今日も本の影から彼を盗み見る。
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