第27話 悲しみになる速度

文字数 140文字

 悲しみを受け入れる時間には人によって差があると兄のカウンセラーから言われた。兄は人よりも遅いようだ。
「ほら、この前のあいつの誕生日」
 目尻を下げて兄は写真を見せてきた。そこには義姉の名前の誕生日ケーキを前にした治療用アンドロイドが写っている。
 私は兄にうまく笑えていただろうか。
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