第22話 藤の悪性

文字数 141文字

 藤娘とはよく言ったものだ。
 頼りがいのある木に巻き付いてはその木を締め上げながら生き、より条件のよい木を見つければそちらにすがってまた締め上げる。
 藤はまさに女の悪性を表した木である。
「でもお好きでしょ?」
 俺の猪口に熱燗を注いで芸妓はうっそりと笑む。俺は鼻を鳴らし熱燗を煽った。
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