第9話 500円玉の太陽に歌う

文字数 141文字

 蒸し暑い空気の中、誰かに届くまで俺は歌うと決めた。
 近くでも俺のように歌っている連中がうじゃうじゃいる。互いの音が重なり合い、どの歌が誰のものかはっきりしない。俺の歌もすでに音の一部だ。
 それでもきっと届くと俺は一層声を張り上げる。
 500円玉のような太陽が俺をジリジリと焼いた。
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