第41話 恋の進展がありそうなのっ！！
文字数 1,461文字
あなたは、どんなにだるい時も愛することを誓いますか。
誓えねぇなぁ、だるいから。
バンッッ！！！！
あに、ドキドキしてるーっ！？
全然。
あに、あのね、あのね……
恋の進展がありそうなのっ！！
お前の恋の進展なんて、興味ねぇよ……。
星奈と天哉だったら話は別だがなっ！
その、星奈ちゃんと天哉君の話っ！
聞かせろっ！！
わかった！
その前におさらい！
あまねの友達、星奈ちゃんは、読書好きの女の子！
星奈ちゃんは大人しくて、注目されるのが苦手、男の子と話したことなし。
そんな星奈ちゃんの前に現れたのは、転校生の昴君！
昴君は学校に来て３ヶ月で成績優秀、スポーツ万能、お金持ち、優しくてイケメン！！
そんな昴君は女の子からモテモテなのに、いつも星奈ちゃんだけに話しかけるの！
でも、星奈ちゃんには、唯一話せる男の子がいるの。それが、幼なじみの天哉君っ！！
天哉君は大人しくてぶっきらぼう。クラスでも一匹狼って感じなんだけど、ギターがすごく上手！！
星奈ちゃんは、そんな天哉君のギターを聞くのがすごく好き！！
それで、星奈ちゃんは天哉君と昴君の間で揺れているの！
そして天哉には星奈だけじゃなく病気がちな女子、月乃との繋がりもある、と。
にしても、なんで急に恋愛の話になったんだ？
何が動きがあったのか？
あに、何か動きがあったんじゃなくて……
これから動きがあるのっ！
聞かせてもらおうか。
あに、凄いよ！
７月には球技大会があって、８月には夏祭り！
しかも、近々デートがあるんだって！
絶対に何か起こりそうっ！
たしかに、それは何か起こりそうだな……。
しかもしかも、みんな一緒のクラスだから、
毎日イベントが起こる可能性ありっ！
みんなって誰だ？
一応、確認させてくれ。
いくよ？
まず、星奈ちゃんはクラスの窓際の後ろ、天哉君はクラスの真ん中の一番後ろ。
昴君は真ん中で～、
それで、月乃ちゃんは一番前のドア側、あと昴君の許嫁の真珠ちゃんが真ん中の一番前！
なるほどな、星奈がと天哉が後ろ、昴が真ん中、月乃が前で……
昴の許嫁、しず、く……？
今年の４月に転校してきたんだって！
静かで大人しいんだけど、凄くスラっとしてて綺麗な人なの！
そんな奴がいつの間に現れてたのか……。
あまねもね、まだ詳しくは知らないの。
許嫁って噂を聞いただけで……。
そいつ、気になるな。
どんな奴か聞いてきてくれるか？
いいよー！
あまね、明日聞いてくるねー！
バタンッ
頼りになる妹だ。
ガチャ
あに、情報集めて来たよ～。
テンション、そこまで高くないな。
なんか、微妙だったの。
真珠ちゃんに話を聞いても、「別に、私と昴の結婚はただの義務ですから」って言うだけだし、昴君も「あいつは、僕のことをただの決められた相手としか思ってないから」って言うし……。
だから、この話にあんまり関わってこないかも。
なるほどなぁ……。
注意は、しておけよ。
え？
だって、真珠はわざわざこの学校に転校してきたんだろ？
親の都合の可能性は高いけど、真珠が昴の元に来たいって可能性もゼロじゃないからな。
実は心の奥底で気になってるって可能性も十分にある。
な、なるほどっ！
だから、なるべく毎日、全員の動向には注意を払った方がいいな。
……。
違うクラスだし、今日初めて喋ったから、そこまでは難しいかもぉ……。
あ、悪い、それはすまん。
……ってか、お前は初対面でさっきの話したのか。
お前、すげぇな。
あまね、そういうの得意なの～。
ただ、これで役者は全て揃ったな。
じゃあ、これからの恋の動きに期待だねっ！
ちょっと、楽しくなってきた。
