第23話 お兄様、ご相談したいことがっ！！
文字数 1,559文字
天希、あいつ友達呼んでるんだっけか。
だるいな。
ガチャ……
すいません。以前、電話した、はるるです。
お兄様、今いいですか……？
え、俺っすか。
なんですか。
実は、悩みがありまして……
もちあまが振り向いてくれないんですっ！！
はぁ。
私、もちあまのことが一番大好きで一番の大親友なのに、
もちあまは色んな人と友達で……
でも、私はもちあまの一番になりたいんですっ！！
そんな魅力のあるやつじゃないけどな……。
もちあまは魅力の塊ですよっ！！
はぁ、そうっすか……。
ってか今、あいつは何してんだ？
あ、もちあまとはさっきまで遊んでいたんですけど、気絶しちゃいまして。
それで、相談のチャンスと思って来ちゃいました。
助けなくていいんすか。
いつものことなので。
そうなんすか。
で、あいつの一番になりたい？
はい、もちあまが私だけを見てくれる世界、それが理想……。
いや、来たるべき未来ですか。
いえ、そんな未来は来ないです。
仕方ないんじゃないすか？
あいつ、魔法少女とかヒーロー退治とかやってるし、その分だけ人脈も広いし、一番は難しいんじゃないんすか？
……………………
もちあま殺して、私も死のうかな……。
怖いんでやめてくれます？
だって、もちあまが私のことを見てくれない世界って、生きてる意味ありますか？
あるんじゃないすか。
まぁ、別に人生あいつだけじゃないし、それに人生……
生きてる意味なんて、考えたことねぇな……。
俺の人生なんなんだろ……
…………。
……なんか、ごめんなさい。
あ、あ、私、お兄様のこと、尊敬してますよ！
もちあま、いつもお兄様のこと褒めてますし。
あいつキモ。
キモくはないですっ！！
あと、お兄様のこと、良きライバルだと思ってます！
もちあまに最も近い存在、私が超えるべき存在ですっ！！
いや、大丈夫っす。
もう負けてるんで。
私、もちあまのこと詳しいですよ〜！
魔法少女、ヒーロー退治、異能力、それに好きな食べ物、ナイトルーティン、口癖、なんでも知ってますからっ！！
はぁ、俺はその辺だいたい知らないんすけど。
だから、もちあまのこと、いつでも支えれる自信ありますから！
辛い時も、泣いちゃった時も！！
あぁ、たしかに前に怪獣来た時も泣いてたっけ。
…………
それ、知らない……
あ、やっば。
まだ、私はもちあまのこと愛しきれてない……。
これだけ毎日もちあまのことを考えて、もちあまにだけ尽くしてきて……。
怖えぇ……
もちあまの写真を撮って毎日眺めて、
もちあまの声を録音して毎晩聞いて、
もちあまの汗を集めて毎日浴びて……
やべぇ……
これ以上、何が出来るんだろう……
いや、何もしなくていいっす。
つか、やり過ぎなんで少し控えましょうか。
もう、駄目、
無理……、
暗い……、
寒い……、
深い……、
苦い……、
煩い……、
狭い……、
狭い……、
狭い……………………
帰ってくんないかな……。
まぁあいつ、はるるさんは一番の親友とか言ってたんで。
だからまぁ……
本当ですかっ！！？？
（言ってたっけ……）
良かったぁっ……！！
もちあまも、そう思ってくれてるんですね！！
やっぱり、もちあまは私の全てです！！
もちあまも、私のことが全てなはず！！
やっぱりお兄様も……
……。
？
もちあまの魅力に、
バンッッ！！！！
あにあに、はるるが消えたーっ！！
目覚めてほしいんですッ！！
はるる、いたー！！
もちあま、目、覚めたんだっ！！
あ、あにに気絶したこと相談してくれてたの？
ありがとーっ！！
親友なんだから、当たり前じゃーん！
（この人、こいつが起きるタイミング見計らってた……。
ただ者じゃねぇ……。）
お兄様、ご相談に乗ってくれてありがとうございました！
あにー、あにがとーっ！！
じゃあ、はるる、もっかい技練習！
うんっ！
こいつら、何してんだよ……
あ、お兄様。
はい？
くれぐれも先程の話は内密に……
バタン
…………
下手したら、殺される……。
