第15話 闇の力が消えちゃったっ！！
文字数 1,424文字
だるいし、めんどくさいことになったな｡
バンッッ！！！！
あに、大変なことになっちゃった！！
あぁ、一応聞く、なんだ。
あのね、あのね……
闇の力が消えちゃった！！
それ、俺の体の中にいる。
びぇぇぇえええ！！！？？？
変な驚き方すんなよ。
え、だって、だって……、
あにの所に闇のやつがいるの！！？？
あぁ。なんかゲームしてたら、いつの間にか入ってきた。
くっくっく……
あ、闇だ。
あぁ、闇の覇者だ。
貴様の体から出てきて、今はこの兄貴の体に入っている。
小娘の体を乗っ取るのは一旦やめだ。
まずは手始めに兄貴の体を奪ってやるぞ！
……ごめんね。
あまね、強すぎた？
あまねのこと乗っ取れなくて、落ち込んじゃった？
哀れみの目を向けるでないっ！！
そういうことではないぞっ！！
まず、こいつの体を乗っ取って力を蓄えてから、貴様を乗っ取るって計画にしただけだ！！
あまねがもうちょっと手加減出来れば良かったんだけど……
聞けぃっ！！
ってなわけで、こいつを抑えるやり方、教えてくれね？
流石にずっと外に出られると困るし。
闇の抑え方？
えとえと、『邪魔、消えて』って思えば、いけるかなぁ。
バイオレンスだな。
でもでも、あに、ちゃんと闇を抑えられてるよ？
必要無いんじゃない？
あぁ、まぁ普通に頼めば戻ってくれるし、
そうだ！
この兄貴は貴様と違って話が通じ……
あ、すんません。
まだ俺、喋ってます。
あ、はーい。
とりわけ変な時に出てくるってもんでもないけど、暴れた時に念のために。
普通に、あにの方が主人っぽい。
うん、やっぱり大丈夫そう。
十分、主従関係がしっかりしてる気がする～。
一応、な。
わかった。暴れたら、とりま殺意向けてみるわ。
やってみて～。
で、で、あに、どうやってそこまで闇を抑えることが出来るようになったの？
最初から？
いや、話し合いで。
話し合い？
えっとな……
……やっとうまくいった！
これで、今日から我がこの器の主ぞっ！！
あれ、闇、入ってる？
くっくっく……、今さら気づいたのか。
だがもう遅いぞ！ この体はもう……
あの、いいっすか。
……はい、なんですか？
人の体に入る時は一言かけてくれないと。
一応、プライベートの領域ですし。
そこは暗黙のルールっていうか、それを守らないって失礼じゃないですか？
……すいません。
あと一応、主はまだ俺なんで。
この体にいるの、俺の方が長いんで。
そ、そこは我の方が強い力を持っていて……
いやいや、力が強いとか関係ないっすよ。
そっちの世界の尺度は知りませんけど、こっちの世界では、基本的に歴が長い方が先輩なんで。
だって、この体のこと、入ってすぐでわかります？
わからないっすよね。どうやってこの体、扱います？
一人で扱えます？
……扱えません。
ですよね。
じゃあ、誰に扱い方、聞きます？
……教えてください。
そうなりますよね。じゃあ、主とか調子乗ったこと言わないでくださいよ。
やっぱり、その辺はもうちょっと謙虚にいきましょうよ。
……はい。
まぁ、体に入ること自体は、自分はどっちでもいいんで。
それなりにモラルと節度を守ってくれればいいっすよ。
これからよろしくっす。
あ、あぁ、よろしく頼むっ！！
って感じで。
あに、怖いぃ……
そうか？ 正論だろ？
あまね、あにに怒られないようにしよ……。
怖い……。
貴様に比べたらマシだけどな。
あまね、そんなに怖くないよっ！
あ、最後に頼みなんだが。
なに～？
この闇が暴走したらさ、俺の体もろとも消し飛ばしてくれね？
頼むわ。
なっ！！？？
最後にとんでもないお願い、しないでっ！！
