第7話 ヒーローが弱すぎるんだけどっ！！
文字数 1,641文字
極めてだるい、俺もだるさ極めてきたな。
バンッッ！！！！
あにぬねのーーー！！！！
なに、ぬねの。
今日はヒーローの話っ！！
今日、ヒーロー達と戦って思ったことなんだけど……
お前が悪役幹部のやつか。
なに、ヒーローが倒せなくなったとかか。
ヒーローが弱すぎるんだけど！！！
……良かったじゃん、簡単に倒せて。
駄目っ！！
あまねは許さないよっ！！
なんでだよ。
たしかお前、ヒーローを潰して、悪の組織も潰すのが目的だったよな？
ヒーローを簡単に倒せた方がいいじゃねぇか。
だって、あまねはまだ悪の組織を潰す準備出来てないもん！！
もうちょっとヒーローには粘って欲しいのっ！！
それにそれに、応援してる人達が楽しめないでしょ！！！！
お前は何に気を遣ってるんだ。
ねぇ、あにぃ、本当にどうしよ。
っていうか、なんでこんなにヒーロー弱いの？
もっと頑張って欲しいんだけど。
俺に愚痴られても。
あにぃ、共感してー？
いや、無理だろ。
そんな独特の悩み、共感できるか。
じゃあ、解決策だけでも、お願いっ！！
わかんねぇよ。
ヒーローも悪役幹部もやった事ないし。
じゃあじゃあ、話聞くだけでもっっ！！！！
聞くだけなら。
あにがーとぅっ！！
で、ヒーローが弱いって、どんな感じなんだ？
なんかね、肉弾戦しかしないの。
全員パンチとキックだけで、決め技も結局キックとかタックルみたいな。
あまねたちは誘惑の魔法とか、影を操つれたりとか、総統は亜空間を操れるのにっ！
お前らが強すぎるんじゃねえの？
それでそれで、その肉弾戦にもキレが無いし、ワンパターンだし……。
もう、勝負になっていないうえに、華が無いのっ！！
こんなの、ダメヒーローだからっ！！
なんか、星１のレビュー聞かされてる気分。
お前も、色々と大変なんだなぁ。
そうなの、色々と大変なのぉ。
まぁ、これからも頑張ってくれ。
応援してる。
あにがとう！
んじゃ、ゲームでも……
終わるなーーーっ！！！
なんだよ、まだ何かあるのかよ。
もうちょっと！
もうちょっと喋ろ！！
もうちょっと喋ろ！！
めんどくせぇ……。
じゃあ、お前はヒーローにどうして欲しいんだよ。
具体的に。
具体的にはねぇ……、もっとこう派手な技を使って欲しいなぁ。
見てる人がわくわくするような、戦っててわくわくするような技。
わくわくするようなって言われても、わかんねぇなぁ……。
……あ、そうだ。
お前、魔法少女もやってるだろ。そっちの技はどうなんだ？
うん、バッチリだよ！
あまね達はいつも、インパクトだけは凄いって言われてるから！！
だけって、それは喜んでいいのかよ……。
じゃあその中で参考になる技、ヒーロー側にやらせたらいいんじゃないか？
わくわくするやつ、あるだろ。
あ、あまねの、酸の体液っ！？
わくわくしねぇよ。
他に。
えっとぉ……。
でも、あまね達の技、可愛いのばっかりだし……。あと……
……あっ、合体技！！ 合体技とかどうかな！！
いいじゃん。
ヒーローっぽさもあるし、派手だし。
やった！
じゃあ、ブラックに……ブーッ
もしもし、ブラック君？
あ、今日の戦いのことなんだけど……
早速かよ。
あ、そうなの？ え、いいじゃ～ん。
実は私もそういうの見てみたいなーって思ってたんだよね。
……今日？ わかった、準備しておくー。こっちも簡単に倒されないようにするねー。
はーい。
ピッ
なんかね、ヒーローのみんなも合体技を準備していたんだって。
それでそれで、これから手合わせしに行くっ！
今日、戦ったんじゃなかったのかよ。
二戦目っ！！
ヒーローも苦労してんな……。
天希、奮闘中……、奮闘中……
………………
バンッ！！
あに、聞いてー！！
どうした。
ヒーロー、だいぶ強くなったよー！！
合体技、ちょっと手応えあった！！
それは良かった。
きっと応援してるファンのみんなも楽しめたと思う！！
だから、応援してるファンってなんだよ。
でも、まだ息ぴったりとまではいかないかなぁ。
もうちょっと精度高めて、綺麗に見せてくれたら、
こっちもテンション上がるんだけどなぁ。
だから、65点ってところで！
お前に点数つけられるとか、ヒーローも心外だろうな。
