第19話 幽霊がみんなを閉じ込めちゃった！！
文字数 1,048文字
今日も1日だるかった。
ずっとずっとだるかった。
バンッッ！！！！
あにあにあにあにっ！！
うるせぇ、もう夜だぞ。
あにあに、聞いてっ！！
学校に幽霊が現れたのっ！！
幽霊か、怖っ。
今度のはやばやばっ！！
学校の幽霊がね、みんなを閉じ込めちゃうのっ！！
閉じ込める？
どういうことだ？
あのね、これは学校の七不思議の中でも最強のお話！！
七不思議に格付けなんてあったのかよ。
あのねあのね、学校の玄関にはね、大きな鏡があるの。
それで学校から帰ろうとした時に、「もう帰っちゃうの……？」って声がするの！！
で、振り返ると、鏡の中に閉じ込められちゃうの！！
そんな危ない鏡、玄関に置くな。
あと、無視して進もうとすると足首を掴まれて引きずり込まれるのっ！！
振り返っても無視しても引きずられんのか。
詰んだな。そんな鏡、閉まえ、壊せ。
鏡に触ったら引きずり込まれちゃうの！！
……無理ゲーじゃねぇか、どうすりゃいいんだよ。
なんか、うまく言い訳して帰るみたいな……。
嫌な先輩に誘われた飲み会かよ。
それで、その鏡の幽霊が最近どんどん強くなってて、
やばやばなのっ！！
へぇ、じゃあ気をつけないとな。
もう何人か閉じ込められちゃってるのっ！！
……何人ぐらいやられてるんだ？
えっと……、校長先生と、熱血体育先生と、生徒会長と、風紀委員長と、学校一美少女って噂の榊先輩と……
学校の中枢ばっかじゃねぇか。
幽霊、策士か。
諸々込みで、34人っ！！
だいぶいかれたな。
どうしよっ、あまね、助けなきゃっ！！
おぅ。
でも怖いのっ！！
ほぅ。
でも助けなきゃっ！！
おぅ。
でも怖いのっ！！
ほぅ。
どうしよぉぉぉっ！？！？！？
俺に聞くのかい。
だからね、あに、助けに行かない？
え？
あに、助けに行こっ！！
一緒に来てっ！！
…………。
珍しいな、お前がついて来てって言うの。
え？
いや、お前はいつも一人で勝手に行くだろ。
だから、珍しいなって。
…………。
今日だけ、なんでついて来いなんて言ったんだ？
やっぱり、それだけ怖いってことか？
兄貴、気をつけて。
お、闇。
この小娘からは、なにやら怪しい匂いが漂っている……。
マジか、なんか変な感じはしたけど……。
…………
お前、誰だ。
ｱｰｱ
フッ
ｼｯﾊﾟｲｼﾁｬｯﾀ
……んだよ、びっくりした。
マジで幽霊とかいるんだな。
…………。
念のため、あいつに電話しておくか。
ブーッ
……繋がらねぇな。
……兄貴。
なんだ？
ひょっとするとだが、本物は幽霊に……。
(あにーっ！！ 鏡の中に閉じ込められちゃった！！ どうしよっ、どうしよっ！！？？)
……話だけは本当かよ、クソが。
続く
