第14話 あまね達、あにに聞きたいことがあるのっ！！
文字数 1,561文字
生きているから、だるいのか。
だるいから、生きているのか。
ブーッ
ん？ 電話？
あいつからか。友達と遊んでるくせに、なんかやらかしたか？
ピッ
ぁぃ
『あ、お兄さんだ！
もしもし、もちあまのお兄さんですかっ！？』
もちあま？
あぁ、天希のことっすか？
『はい！ 私、もちあまの親友のリリーでして、ちょっとご相談が！！
あの、あのあの……』
『どうやったら、もちあまに近づけますかっ！！』
……いや、あんなのに近づかない方がいいと思うけど……。
『ちょっと、やめてよリリー！
だってお兄さんはなんでも解決出来るって……。
え、もちあまの兄ちゃんと繋がってるの！？
私、伝えたいことが……！
告白したーい！』
もしもーし。
『この前はプリンありがとでしたぁっ！！』
……どちら様？
『あ、うちはもちあまの親友、ローズです！』
『そして私がもちあまの親友、コスモスですわ！！』
親友、多いな。
あれだっけ、魔人が来た時にプリンを食べた食べてないで喧嘩してたとか。
『そうですわ、あの折は本当にありがとうございましたわ！！
お腹が空いていたからローズのプリンを食べてしまって……。
イライラしていたからローズに羽交い絞めしてしまって……。
お恥ずかしい限りですわ。』
コスモスさん、口調に似合わず本能に忠実だな。
『うちら、ローズとコスモスは欲望姉妹って呼ばれてるんで！！』
嫌な呼ばれ方。
『デザイアシスターズですわ！！』
英訳されても。
『あの、それでさっきの話なんですが！！』
誰ですか、リリーさん？
『はい、リリーです！
私、新米なんですけど、早くリーダーのもちあまに近づきたくて……。』
そんな尊敬出来るようなやつじゃないけど。
まぁ、あれかなぁ。
うちの天希は酸で攻撃するとか女を捨てて戦ってるから、リリーさんも女を捨てて戦うとか……。
『なるほど、羞恥心が枷になってるということですか……。
もっと自分らしく、ありのまま戦う……。
わかりました！！』
すげぇ、うまい感じにまとめてくれた。
『私も、もちあまみたいに自分をさらけ出して頑張ります！！』
あー、また変な魔法少女が増える。
『あのーっ！
付き合ってくださーい！！』
初めまして、どちら様ですか。
『私、もちあまの親友、サクラです！
彼氏が欲しいです！
年上がタイプですっ！！
えちえち美少女ですっ♡
付き合ってくださいっ！！！！』
お気持ちは嬉しいのですが、彼女がいるので付き合えません。
『振られたー！！
私が悲劇のヒロインだーっ！！』
『あにーっ、あまねだよーーっ！！』
黙れ、ネフェンティー。
『いつもより辛辣っ！？』
ピカッ！！
あれ、暗くなった。
『あ、あにっ！！ 魔人が現れたみたいっ！！
最近休日なのに出番多すぎっ！！
じゃあ切るねっ！！』
プーッ、プーッ
切れた、友達も賑やかなやつが多いな……。
ブーッ
あれ、また電話か。
まだ、なんかあんのか？
ピッ
もしもし。
『あの、もちあまのお兄様ですよね……。』
そうですけど、誰っすか？
『はるると言います。言っておきますけど……』
『私は片時も離れずもちあまのことを見ていますっ！！
だから、私がもちあまの一番の親友ですっ！！』
プーッ、プーッ
…………はい？
天希、奮闘中……、奮闘中……
………………
バンッ！！
ただいまー！
あに、昼間は急にごめんねー！
別にいいけど。
で、さっきのは誰だったんだ？
えとえと、魔法少女の仲間！
サクラにローズにコスモスにリリー！！
あれ、それで全員か？
うんっ！！
じゃあ、はるるってやつは？
はるるは魔法少女じゃないよー。
はるるは、あまねと同じクラスの友達なの。
あぁ、そういうことか。
はるるも一緒に遊んだってことか。
ううん、今日は一緒に遊んでないよー。
ん？ どういうことだ？
はるるは来てなくて、じゃあ電話は？
はるるから電話？
あに、何言ってるの？
いや、電話で片時もとか…………あっ、
…………。
あに？
……なんでもない。
