第43話 お友達が遊園地デート中なのっ!!
文字数 2,479文字
あに、聞いて聞いて!今すごいことが起きてるのっ!!
念のためおさらいっ!!
あまねの友達、星奈ちゃんは、大人しくて男の子が苦手な読書好きの女の子!
転校生の昴君、成績優秀、スポーツ万能、お金持ち、優しくてイケメン!!
一匹狼の天哉君っ! 星奈ちゃんと幼馴染でギターが上手な男の子っ!!
星奈ちゃんのことが気になってる天哉君と昴君、恋の行方やいかにっ!!
忘れちゃならない、病気がちな女子、月乃。天哉のギターを聞いて病気が回復したとか。
そして新登場、昴の許嫁、真珠。昴との結婚を決められているが、果たして……?
それで、遊園地デートについて、詳しく聞かせてくれ。
任せてっ!昴君がね、星奈ちゃんを遊園地デートに誘ったのっ!
星奈ちゃんも最初は乗り気じゃなかったんだけど、お気に入りの本の舞台がその遊園地になっているから行ってみることにしたんだって!
もしもし、はるるー、サクラ―。
今、あにと繋がってるよー。
はるるさんと、……多分、サクラさんですか。
俺には彼女がいますし、フレンチデートやアクセサリーをプレゼントする金が無いので、無理っす。
ねぇねぇ、はるる、サクラ。
星奈ちゃんと昴君は今、どんな感じ?
『
もちあまーっ!!今、昴君と星奈ちゃんは遊園地に入ったばっかり!
どこに行くか悩んでるよ!』
お前はなんで行かなかったんだ?
俺としては電話で状況が聞けてありがたいが。
『もちあまのお兄さん、もちあまは隠密行動が大の苦手なんですよー。
だから、もちあまは自宅待機にしましたっ!』
『あ、もちあま、お兄様、二人の動きがありましたよ!』
え、そうなんだ。
ジェットコースターとか、お化け屋敷とか行けばいいのに。
星奈は遊園地に慣れてないんだろ?
それなら、遊園地に緊張している可能性が高い。
そんな中でジェットコースターとか乗ってみろ。ヘアメイクが崩れたらどうしようと思うだろ? お化け屋敷に行って、変な声を出したらどうしようとか、不安になるだろ?
普通の迷路なら、そんな心配はないし、これからどこに行くか相談しながら遊べる。
要は、遊園地に慣れる所から始めたってとこだな。俺はそう睨んでいる。
どうだろうな。
この後はジェットコースターで攻めるか、お化け屋敷で攻めるか……。
あれだよ、なんかボートみたいなのに乗って水の上を滑ってくやつ。
……流石だな、昴は。
少し遊んだとはいえ、まだ遊園地に慣れていない星奈。だけど、遊園地っぽい遊びはしたい。
そんな時に、ウォーターライドはうってつけかもしれないな。
しかも、歩き回る迷路の後に座って遊べるウォーターライド。
疲れないようにする配慮もしているな。
『そこまで考えてデートしてくれるなんて、かっこいいー!!』
男の人ってそこまで気にしてるんだぁ……。
あまね、そんなこと考えずに文句ばっか言ってたかもぉ……。
まぁ、いいだろ。
お洒落とか化粧でデートに華を持たせてるのは圧倒的に女の方だろ。
だったらそのデートを実りある物にするのは男の務めだろ。
『お兄様、ウォーターライド、終わりましたっ!今度は人気のレストランに行くみたいですっ!』
人気レストランなら待ち時間がかかるから丁度いいぐらいだろ。
注文してからすぐに料理が出るわけじゃないしな。
しかも、みんなが飯に行く時間に食べ終えることが出来たら、人気アトラクションに並ばずに入れる。いいことづくめだ。
しかも、ジェットコースターやお化け屋敷の花形アトラクションを残しながら午後に突入。疲れてテンションが下がり気味になる状況で、このカードを残しておくのはでかいな。
『しかもお兄様、まだ星奈ちゃんの本の舞台も回り切っていませんっ!!』
『じゃあ、もちあま、私も、はるるちゃんとご飯食べに行ってきまーす!!』
天希、大地、はるる、サクラ、ストーカー……、ストーカー……
………………
『デート、これにて終わり―っ!観覧者、さいっこうーっ!!』
ジェットコースターにお化け屋敷、本の舞台も見て、最後は夕日を見ながらの観覧車……。
まるで、絵に描いたような遊園地デートだな。
『いや、私達はただ、昴君のデートを見守ってただけで……』
『……それは、すいませんでした。
もちあま、一回切るね。』
昴の知り合いなのか……。
これは、昴の方も目が離せなくなってきたな。
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