第69話 ドルイドの巫女と『普通』の祈り

文字数 7,554文字

「私にはもう、名前がない」
 薄紅の髪をさらさらと風に揺らして、少女は答えた。
「なら、一緒に決めるか?」
「一緒に?」
「初対面で僕が勝手に決めるのは、ちょっとな」
 ミステルにはさらっとつけたが、さすがに今やっと素顔をみたばかりの少女に勝手に名前をつけるのははばかられる。
 少女は少しだけ、きょとんとした顔になった。
「一緒に……」
 今度は、少しだけ困った顔。
「いや、僕が悪かった。無茶振りだったな。そうだなあ、こちらの聖霊にはあまり詳しくはないんだが……たしか火に関する祭りがあったな」
 記憶に遠い文献の記述を思い出す。
「ああ、あれだ。春先の魔女の火祭り。ベルベーンだ。君のことはそう呼ぼう。略してベルだな」
「ベル……」
「気に入らないなら他を考える」
 薄紅色の髪をした少女は、微笑む。初めて笑った。
「それでいい」
「なら決まりだ。僕と一緒に行こう。君が何も呪わなくても済むように、僕が呪いを討ち滅ぼそう。僕自身のついでみたいなもので悪いんだが」
「……それでいい」
 もう一度同じことをつぶやいて、少女ベルはアローの手を取った。
「私に呪わなくていい世界を教えて」
「ああ。それについては心配しなくてもいい」
 この世界はどこもかしこも死が満ちあふれていて、誰も何も死んでいない場所など、どこにも存在しない。
 それでもアローは森から出て、多くのことを知った。
 おびただしい量の死の上でも、人は生きている。生きていける。その世界は呪われてなんかいない。死が必ずしも呪いを生むわけではない。
「期待していてくれ。なにせ僕は大魔術師クロイツァの唯一の弟子、稀代の死霊術師なんだからな! ……まぁ、今はちょっと魔術がろくに使えないが、何とかなるだろう」
 師匠クロイツァが、アローの出した答えを是とするかはわからない。あの人の反応を予測するのは直弟子のアローでも難しい。
「僕はこれでなかなかしぶとい。簡単には死なない。死ねない理由もできたことだし。君を、連れていくことはできる」
「そのことなら……」
 ベルははっきりとした眼差しでアローを見つめる。恐らく、新しく名前を決めたことで魂が強固になったのだろう。
「私が貴方を手伝えるかもしれない」
「は?」
 さらっととんでもないことを言われて、さすがのアローも聞き返す。
 何せオステンワルドからこのかた、魔術回路の修復のことで途方にくれる日々を送ってきたのだ。
 それが、いきなり治せると言われても戸惑いが深い。
「すべては無理。少しだけ。むしろ、私が手伝わないととここから出られないと思う。ここはウィッカーマンの中だから」
「んん、あー……そうか」
 アローは単純に、中に入り込みさえすればどうにかなると考えていた。
 別にアローの考えが特別甘かったわけではない。例えばアローがベルをウィッカーマンの核として破壊すれば、呪詛の根源を失って崩壊する。すんなりと黒き森に戻れたはずだ。
 だけどアローはもう、彼女をこのまま外に連れて行くと決めている。今更消滅させたりはしない。もう名前も与えてしまった。
「頼む。さすがにこのままウィッカーマンの中に居座るわけにはいかない」
「はい」
 短く返事をして、ベルは手を掲げるを
「私はドルイドの巫女。魔力は樹々の枝葉。求められれば答えましょう。檻に込めるは血潮を焼く炎。咎を焼き祈りを焼き天に届けましょう」
 彼女の体を力伸びた無数の枝葉が覆っていく。それはまるで緑のドレスをまとっているかのようで。
「求めましょう、答えましょう。私が殺した私の神に誓って」
 彼女の伸ばした手から細い枯れ枝が伸びて、それに炎の紅が伝っていく。
 まるで空に血潮が伸びていくように。
「これを魔術回路の代わりにする」
「ドルイドの魔術は、木と炎なのか」
「本来は樹々と大地、そして水。私は生贄の巫女なので」
「なるほど……」
 第三者が彼女を利用して、彼女の村の神を殺し、恐らく力を奪い取った。
 だが、彼女はいずれにしてもウィッカーマンの中で焼き殺される運命だったのだ。神への捧げ物として。どうあがいても呪われていた。
 彼女と彼女を捧げ物にした村人ににとっては、それは呪いではなく祝福として認識されていたのかもしれないが。
「戻る前に……少しだけ、本当の気持ちを言ってもいい?」
 ベルが空に広がる紅い枝を見つめ、ぽつりと呟いた。
「うん? 何だ?」
「本当は、死にたくなかった。殺されたくなかった。神様はどうして私を選んだのだろう。どうせ死ぬのならみんなと一緒に死にたかった……」
「そうだな……死にたくは、ないよな」
「咎を受けた人と森で狩った獣と、いっしょに詰め込まれて……焼かれて、熱くて、怖くて、みんなが暴れて、怖くて……」
 ベルは恐らく、ミステルとそう年も変わらない。いくら信仰が根付いていても、あの木の人形に罪人といっしょに詰め込まれて焼き殺されるのが恐ろしくないわけがなかった。
「怖くていいんだ。死にたくなくても、いいんだ。それはおかしいことじゃない」
(僕も多分、それでよかったんだ)
 いつもいつも、黒き森の奥で思っていた。何故生まれたのか、この森の中でただ静かに生き延びて死ぬまで、そのまま。都に行くことを禁止されてからは、尚更そう思ってきた。
 だからこそ、アローはミステルを割り切って送ることができなくなってしまった。彼女だけが無条件でアローを肯定してくれていたからだ。
 普通の人間とともに生きられない自分は、生きていても許されるのか、ずっと考え続けてきた。
 きっと、もっと単純でよかったのだ。
 死にたくない。生きていたい。居場所が欲しい。それは何もおかしいことじゃない。
 ヒルダがいつか「アローは普通だ」と言った理由が、ようやくしっかりと納得できた気がした。
「一緒に戻ろう。僕は君と同じように呪われているけれど、それでも仲間がいるんだ。……ちゃんと、いるんだ」
 血潮のように伸びる紅い枝へと、アローも手を伸ばす。『普通』に生きることを許されなかった。それでも抱えていた祈りはとてもありふれた『普通』のものだった。
「さぁ、こんな木の檻は壊してやろう。――『死を記憶せよ』」
 紅い枝が一瞬にして燃え落ちて、世界がゆったりと闇に溶けていく。
 おびただしい死臭に満ちていたその場所に残されたのは、嗅いだことのない花の香りだった。



「お兄様!」
 見慣れた風景が戻ってきた。
 異変に気付いたのだろう。ミステルとヒルダが駆けてくるのが見える。
 どうやらウィッカーマンの中から出ると同時に、中に篭っていた悪霊も霧散したようだ。
(ベルを連れ出して、内部崩壊した、といったところかな)
 正直ありがたい。もう疲れ切ってクタクタだ。死霊を送還する手間が省けた。
 ウィッカーマンの残骸は全て灰となって、地面に座り込んだアローの周りに降り積もっている。
「アロー、怪我はない?」
「大丈夫だ。だいぶ疲れたが……そういえば、ベルはどこだ?」
「ベル?」
 へたり込んでいたアローに手を貸しながら、ヒルダが首をかしげる。
「何かよくわからないけど……その、杖? みたいなの、何?」
「杖? 杖は置いてきたはず……何だこれ?」
 気づくとアローは一振りの杖を抱えていた。
 恐らく樫の木で作られたと思われる杖。ところどころから枝葉が伸び、先端が枝を編み込んで複雑な形になっている。そこに随分と石が小さくなってしまった竜鋼の首飾りがまとわりついていた。
「何だこの杖?」
 思わずヒルダに聞き返すと、彼女は呆れたようにため息をついた。
「いや、私に聞かれても。……っていうか、今まさに私が聞いてたんだけど。何かいい匂いするね。花みたいな」
「この杖の魔力によるもののようです。樫に見えますけど、香木でしょうかね?」
 ミステルも興味深くしげしげと見つめ、そして。
「……しかし、何やら女の気配を感じるのですが」
 さすがというべきなのか。アロー一筋の使い魔は杖に向かって敵意を放つ。対するアローはようやく納得がいって、杖を手に取った。
「そうか、この杖はベルか」
「「だからベルって誰なのよ」ですか」
 いまだ状況を飲み込めない女性陣が声を合わせる。
「ウィッカーマンの核だな。生贄にされた女の子だ。中で会った。せっかくだから連れてきたんだが」
 こつん、と杖を指で叩くと声がした。
《お初にお目にかかります、ベルベーンでございます。ベルとお呼びください》
 ヒルダは思わず杖に向かって「あ、どうも」と律儀に頭をさげる。ウィッカーマン中身なのだから、この杖も死霊から生まれたようなものだと思うのだが、木製だとあまり怖くないのだろう。
 一方、ミステルはすこぶる不機嫌となった。
「お兄様、私と契約しておきながら、黒妖精だけでは飽き足らずさらに女の使い魔を増やすとはどういう了見です?」
《使い魔ではない。私はドルイドの巫女。アローは私の呪いがとけるまで同行させてくれると言った。杖になったのは、私なりに力を貸しやすい形を考慮した結果》
「あああ、またお兄様は本当にそうやってモテなくていいところでタラシこむんですっ」
《アローの使い魔は騒々しい》
「わきまえてくださいね。お兄様のお供は私ですし、もし仮に! たとえ万が一! ゆくゆくお兄様に良いお相手ができることがあっても! この私が厳重な審査をいたしますので! 合格できない悪い虫は徹底排除ですので!」
《小うるさい》
「お兄様、この杖はお焚き上げしてください!」
「いやいや、ミステル。苦労してウィッカーマンを消滅させたんだ。勘弁してくれ。一応彼女とは色々利害の一致もあって連れてきたんだ」
 怒り狂うミステルをなだめつつ、しかしアローは微妙に釈然としていなかった。モテとかなんとか言われたが、アローは別にモテるようなことはしていない。
 アローの中でモテる行為とは、主にナンパのことである。自分が何の気なしに声をかけているのは、モテに含まれていない。
 ちなみにナンパはいまだに成功したためしはない。
「ヒルダ。ミステルは何か勘違いしてないか?モテる場面じゃないよな?というか、タラシって何だ?」
 絶妙にわかっていない、ある意味通常運転のアローを前に、ヒルダは複雑表情で彼の両肩に手を置いた。
「アローはそのままでいいわ。多分、無理してモテようとか考えない方がいいわ……」
「何故だ……」
 どんどん周りに女子(ただし主に人外)が増えている事実に気づかないまま、アローは釈然としない顔で呟いたのだった。



ミステルが怒り狂い、ヒルダが呆れ果てている間に、テオとハインツもこちらにやってきた。
「アローさん、あの何か強くて怖いやつ倒したんですか?」
 テオがビクビクと辺りを見回す。どうやら彼は矢が尽きてしまったようだ。矢がないと、彼は間違いなくこの中で最弱だ。怖がるのも無理はない。
 アローはそんなテオの様子に、どこか日常の気配を感じて何だかホッと一息ついた気持ちになった。
「ウィッカーマンだ。倒した、というか和解した。今はこの杖になっている」
 ベルの杖を振ってみせると、杖の中にいる彼女が《どうも》と答えた。まさか話すとは思わなかったようだ。テオが「ヒェッ」と声を上げてしりもちをつく。
「ふむ、君がウィッカーマンの中にいた魂か」
 ハインツはベルの身の上について察しがついたのだろう。興味深げに近づいたが、ベルの方が勝手にアローの手をすり抜けて背の後ろに隠れた。
《貴方は何かいや》
「嫌、とは心外だな。偉大なる女神フライアは君の神様とは相容れないのかい?」
《フライアは我々、北の霧の国の地を見放した。だから、我々の地ではフライアは信仰されない》
 ベルが固い声で答え、ハインツは肩をすくめる。
「なるほど。君は北の果てから来たのか。確かにあの地には、フライアの加護は及ばない」
「よかったな、ハインツ。オンナノテキの匂いがするとか、そういう理由じゃなくて」
「アロー君、あまり過激な妹君の発言を間に受けないでいただきたいのだが、女の敵の意味はわかっているのだろうね?」
 引きつった顔になったハインツに、アローはしれっとした顔で答える。
「安心しろ。ロクでもない意味だとはわかっている。どうせ男女の営みについてのことだろう」
 ハインツの顔がさらにヒクッとしたので、アローは当たらずとも遠からずなのだと確信した。
「純粋だった頃の君が懐かしいのだがね」
「つい半日前に青薔薇館で、僕が君に何を見せつけられたと思っている?」
「あれは仕事のひとつでもあってだね……」
 ハインツが深いため息と共にブツブツと何やら言い訳を始める。それを素知らぬ顔で聞き流していると、テオが興味深げに杖を観察し始めた。
 ウィッカーマンがもういないとわかると共に、彼の泣き言はピタリと止まっている。わかりやすい。
 ベルの杖はすでに漆黒の闇に包まれつつある夜の森でも、ほのかに発光しているのでよく見える。
「何か見た目だけなら、前のキモい杖よりもかっこいいですね」
「キモい杖とか言うな。アレは師匠からもらった貴重なものなんだぞ」
「いやだって、アレは何か呪われそうな感じだったじゃないですか?」
「その点は私もテオに同意するわね。不気味だもの、アレは」
 ヒルダにまでそう言われて、アローもさすがに少しばかり複雑になった。見た目は普通だけど死霊が宿った杖よりも、見た目が不気味だが便利な魔法道具の方に拒否反応を示されるとは。
(結局のところ、ヒルダの拒否反応は見た目のトラウマが発端なんだろうな……。ミステルやリューゲにはすぐ慣れたし、一度振り切れたら死霊相手でも戦えるし……)
 彼女にトラウマを植え付けたのは幼い頃のアローではあるし、なかなかツッコミもいれづらい。
 これはこれで、ヒルダ自身も自分が越えるべき問題だと認識しているのだから、アローが責任を感じたからといって横から口出しをするわけにもいかないことだ。
「ところでテオ、君は僕の愛用の杖を不気味だと言うが、はっきりと言えばこの杖の方がよほど呪われているからな」
「えっ!?
 テオが一気に三歩ほど後退する。ヒルダも心なしか後ずさる。わかりやすい二人だ。
「安心しろ。僕が持っている限り、周りに呪いが及ぶことはないだろう。他の術師が持った場合の責任は持てないが」
《私はアローと共にゆく手段としてウィッカーマンの檻から杖を形成しただけであって、他の術師とはそもそも共にいる意味はない》
「だそうだ。使い魔というわけではないが、これもある種の契約だな」
「私は納得してませんけどね……。せっかくお兄様との絆が深まったというのに……」
 ミステルが恨めしげな顔をしているが、こればかりはアローも勝手に連れてくると決めた手前、叱りづらい。
「使い魔はミステルだけだ。リューゲは契約が残っているというだけで頼るわけにはいかないし、ベルは基本、杖だからな。使い魔として頼るのはミステルだけだ。それだとだめなのか?」
「……ダメではありません。そうですね、私だけですよね。ふふふ、任せてください。お兄様には虫一匹寄せ付けません」
「いや、別に虫が寄ってきたくらいで追い払わなくても大丈夫だぞ。森では虫くらいいくらでもいたのに、今更何を言ってるんだ?」
「いいえ。悪い虫を寄せ付けるわけにはいきませんので。この私が厳選いたしますので」
「厳選……?」
 もちろん、同じ『虫』でもミステルが考えているものとアローが考えているものでは、天と地ほどの差が存在する。しかしミステルはあえて否定しない。
 ガンドライドの中での相互理解を経て、ミステルはこの色恋にはぼんやりしすぎている義兄を守らねばならないと使命感に燃えていた。
 そんな義兄妹の様子に、ヒルダ、ハインツ、テオが生温い眼差しを送る。結局、依存と執着から使命感と過保護に移行しただけで、ミステルの心境は変わってもやっていることはさほど変わっていないのだ。少なくとも、表面上は。
「でも、その……ベルさん? の呪いが解けたわけじゃないのよね? アローは大丈夫なの?」
 ヒルダが八割の心配と、二割の疑念混じりの様子でアローに尋ねる。
 疑念の内訳は「無理をしたり、本当はまずいことがあるのに隠したりしてないか?」といったところだろう。
 信用をなくしたものだ。元はと言えばオステンワルドで無茶をした自分のせいだから、反論もできない。
「ウィッカーマンの中に入って呪われなかったんだ。大丈夫だろう。僕も生まれつき呪われているようなものだからな」
「でも、ウィッカーマンの中で魔法使ってたでしょ? ミステルが言ってたから」
「ああ、リューゲが教えてくれたんだ。竜鋼を削れば魔法一回分くらいにはなると。もう一度同じ手は使えないが」
 手のひらに乗せて半分を覆うくらいはあった竜鋼は、今は爪くらいの大きさだ。
「さて、師匠の合格判定がどう出るかだな」
《ギリギリ合格にしてやらんこともない》
 すぐに師匠の声が返ってきて、アローは思わず空を仰ぐ。
 もちろん、空から聞こえるように感じるだけで、空に師匠がいるわけではない。幾重にも重なる木々の枝で、星はおろか月明かりすらロクに届かない森の夜空は、ただただ闇で塗り込めたように黒かった。
《黒妖精の助言込みだから、ギリギリだ。甘ったれめ。だが、方法論については概ね正解だ。だから合格をくれてやる》
「……そうか」
《嬉しくなさそうだなぁ、馬鹿弟子。治してやると言ってるんだぞ、お前の身体を》
「それは嬉しい。感謝する」
 だけど――。
 ウィッカーマンは、ベルは、いつ、誰にどうして、あんな風にさせられたのか。
 ベルに神殺しをさせた連中が、自分を『作った』者と関連しているのか。
 そうやって各地で神を弱体化させ、力を奪い、強力な呪いを振りまく連中がいるとして、その目的は何なのか。
 クロイツァは何故、アローとミステルを残して旅に出たのか。
 聞きたいことがありすぎて、それなのに何も言葉にはならない。答えてもらえるとも思えない。
《お前は馬鹿だが賢いなあ、アロー。また後で、な。あははははは!》
 大魔術師クロイツァは高らかに笑い、そして。
「うわっ!?
 急に視界がぐるりと一回転して、ドサドサと重い音がいくつも響き渡る。
 腰や手足の痛みに顔をしかめながら起き上がると、そこはアローの店の前だった。
 王都グリューネに戻ってきたのだ。
「やれやれ、大魔術師様は手荒ですね」
 ハインツの皮肉に、クロイツァは答えなかった。
 アローは王都の高い建物の隙間から見える、半ばまで欠けた月の光に目を細める。
(また後で、か)
 月光は淡く街の影を落とす。ベルを握りしめながら、アローは想う。
(僕とベルは、何のためにこんな身体にされたんだ? 僕の母さんは何から逃げていたんだ?)
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