僕の居場所

文字数 414文字

「今のうちに言っておくけど、社会に出たら、いっぱい辛くて面倒なことがあるんだぞ。」
『・・・』

「自分は一つも悪くないのに、叱責を受けたり。」
『・・・』

「毎日、ルーティンな仕事をこなさなくちゃいけなかったり。」
『・・・』

「気が乗らないのに、人づきあいするのもやっかいだ。」
『・・・』

「なあ、一言ぐらい喋ったらどうだ? 」
『・・・』

「新しい環境に慣れるのも一苦労だしな。」
『・・・』

「でも、そんな風にいつもでも引きこもってちゃだめだぞ。」
『・・・』

「ねえ、そこどいて代わってくれる? 」
『・・・ いいよ。』

「おお、いいのかい? ありがとう! 」
『ぼくもココをそろそろ出なきゃだし。でもいいの? 明日小学校の入学式でしょ? 』

「学校なんか行きたくない。」
『僕はお兄ちゃんみたいには、ならないようにしようっと。 』

大きくなったお腹に糸電話をあてて、
もうすぐ世に出てくる弟にしゃべりづつけている翔君を
お母さんは微笑みながら見つめていました。
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