魔法使いの 弟子の弟子
文字数 667文字
パパは、ママがお出かけで留守のとき、悪さをする。
先月は、玉子をそのまま電子レンジで、チンして爆発。レンジの中壁は、四方八方黄身と白身とカラがべっとり。
先週は、食器洗い機に普通の洗剤を入れて、キッチンの床中泡だらけ。
家に帰ってきてその光景を見て、またか、とママは指でコメカミを押さえ、清掃命令を下す。
そして今日。
ポップコーン作りに挑戦。
いやな予感しかしない。
大きなフライパンにサラダ油と塩を入れ、トウモロコシを投入し強火にかける。
ポップコーン用の乾燥トウモロコシが入っていた袋を見ると、『10回分のお得パック』って書いてある。それを全部入れちゃった。
「えーと、蓋、蓋・・」
おい! 今それを探すのかよ。
説明書読まない、きちんと計らない、段取り悪い。
パパは、理科の教師をやってるけど、こんな先生に教えられて、生徒さん、大丈夫だろうか?
そんなヤバいタイミングで。
ベランダの窓がガラリと開き、目だし帽を被った男がいきなり入ってきた。
「おい、金を出せ!」
フライパンを片手に、蓋を探してアタフタしながら、脅し声の方に向かう。
その瞬間。
機は熟していた。
パパン
パン
パパパバン!
パパン
パン
パパパバン!
パン。
熱エネルギーを十分に蓄えたトウモロコシが、元気いっぱい、一再に弾ける。
何事かと慌てて窓から退散する強盗。
通報を受けた警察官は、リビングの半分がポップコーンで埋まっているのを見て唖然とし、室内の現場検証を諦めた。
遅れて帰ってきたママは、その光景を見て、燃えるゴミの袋40リットルの束を無言でパパに手渡した。
先月は、玉子をそのまま電子レンジで、チンして爆発。レンジの中壁は、四方八方黄身と白身とカラがべっとり。
先週は、食器洗い機に普通の洗剤を入れて、キッチンの床中泡だらけ。
家に帰ってきてその光景を見て、またか、とママは指でコメカミを押さえ、清掃命令を下す。
そして今日。
ポップコーン作りに挑戦。
いやな予感しかしない。
大きなフライパンにサラダ油と塩を入れ、トウモロコシを投入し強火にかける。
ポップコーン用の乾燥トウモロコシが入っていた袋を見ると、『10回分のお得パック』って書いてある。それを全部入れちゃった。
「えーと、蓋、蓋・・」
おい! 今それを探すのかよ。
説明書読まない、きちんと計らない、段取り悪い。
パパは、理科の教師をやってるけど、こんな先生に教えられて、生徒さん、大丈夫だろうか?
そんなヤバいタイミングで。
ベランダの窓がガラリと開き、目だし帽を被った男がいきなり入ってきた。
「おい、金を出せ!」
フライパンを片手に、蓋を探してアタフタしながら、脅し声の方に向かう。
その瞬間。
機は熟していた。
パパン
パン
パパパバン!
パパン
パン
パパパバン!
パン。
熱エネルギーを十分に蓄えたトウモロコシが、元気いっぱい、一再に弾ける。
何事かと慌てて窓から退散する強盗。
通報を受けた警察官は、リビングの半分がポップコーンで埋まっているのを見て唖然とし、室内の現場検証を諦めた。
遅れて帰ってきたママは、その光景を見て、燃えるゴミの袋40リットルの束を無言でパパに手渡した。