幕間座談会 終 (前) (141話~144話 ダイジェスト込み)

文字数 5,570文字


中条:ほ・ら・な! これだよ。男はみんなこれなんですよ!
雪野:少しは落ち着いて下さい
綾風:冬ちゃんが他人をなだめてる?!
優希:彩風さんも少し落ち着いて
中条:落ち着く? これで落ちついてられるんですか? 副会長も愛先輩の彼氏の自覚ある
   んですか?
優珠:そこの狂犬。わたしのお兄ちゃんに文句とは、良い度胸じゃない
優希:まあまあ。中条さんの気持ちも優珠の気持ちも分かるけど、逆に考えたら僕が愛美さん
   へのポイントを稼ぐ絶好の機会だから
佳奈:お兄さん……それはいくら何でもアカン思いますよ
中条:これが男の本性なんですよ。女を男のせい――
蒼依:り・っ・ち・ゃ・ん? 愛ちゃんがいるんだけど?
綾風:(マズイ! 蒼先輩って実は怒らせると後が大変なんじゃ……)
咲夜:やーいやーい怒られてやんの!
実祝:咲夜……
倉本:男にも色々いるからな。俺みたいにまじめな奴もいれば、空木みたいに女たらしもいる。
   ただそれだけの事だろ。
中条:会長は駄目です。愛先輩への下心が透けすぎです。どうせ会長も岡本先輩の隙を――
蒼依:――りっちゃんは、こっちでお説教ね
中条:ちょっと待って下さい! ここで愛先輩に注意喚起しておけば、今後身の危険は無くなる
   んじゃないんですか?
実祝:後輩の男嫌いの布教力がすごい
蒼依:……確かに。
咲夜:(?!?! な、なんであたしの時と反応が違うの?!)
佳奈:この先輩、なんで頭抱えてんのやろ
優珠:この先輩は、この話の中で一番アホなのよ。だから気にしちゃ駄目よ
雪野:この妹さんにしては、お兄様を悪し様に言われて反応しないなんて珍しいですね
彩風:それ。絶対突っついちゃ駄目だからね
優希:お兄様?!
愛美:……優希君? その反応は。何? どう言う事?
彩風:……ほら。言わんこっちゃない
雪野:そう言う霧ちゃんは、会長を悪し様に言われても平気なんですね
彩風:愛先輩にお熱な清くんは、一回痛い目に遭った方が良いと判断したの!
優珠:(……単純ね。愛美先輩の優しさの前に、そう簡単にいくのかしら)
佳奈:(なんや、優珠ちゃんが何考えてるんか分からんなぁ)
中条:それでですね。蒼先輩!
蒼依:え? 私なの?
中条:そうです! 男なんてみんなケダモノなんですから金輪際男なんて信用したら駄目なん
   ですよ!
蒼依:気持ちは分かるけど、愛ちゃんの彼氏さんは多分そんな事無いと思うけどなぁ
雪野:そうです。ワタシの友達はともかく、空木先輩はワタシが見込んだ殿方なんですから、
   失礼な事仰らないで下さい
彩風:副会長の話になったら、相変わらずしっかりしてるよね
優珠:それでもお兄ちゃんの彼女は愛美先輩よ。それだけはメスブタには譲らないから
佳奈:なんで優珠ちゃんがそこで意地張るん?
倉本:まあまあ、俺も最後まで岡本さんは諦めないから、男らしい俺をしっかりと見てくれる
   と嬉しい
優希:あのな倉本。僕の前で平気でそれ言って友達なんて普通出来ないからな
彩風:……
中条:駄目です! 愛先輩はあーしがもらいます! 最後には暴力に訴えて、それまではヤ――
雪野:さすがにそれ以上はいけません。ワタシ達は健全な学生です!
中条:――る事だけ――
彩風:“何でもします!”って言った冬ちゃんがそれを言うの?!
蒼依:もうあったま来た! 理っちゃん! こっち来なさい!!

実祝:あの……みんな
咲夜:……どうしたの? 実祝さん
朱寿:そうなんだよ。所々に差し込んでたダイジェストってどうするんだよ
咲夜:え? なんで、“あの……みんな” だけで分かるの? おかしくない?
愛美:そうだね。誰が読み上げる?
咲夜:……あたしの話、聞いて貰ってない? 
巻本:そんな事無いぞ。俺はちゃんと聞いてるからな
咲夜:先生……じゃあ、罪滅ぼしも兼ねて、あたしが読み上げて良いですか?
巻本:俺は構わんが、やっぱりこの登場人物で一番可愛い岡本に聞いてからの方が――
愛美:――もちろんっ
優希:……
優珠:……
佳奈:兄妹揃って同じ反応見せるんやから……
実祝:先生の発言、訂正。良いの?
愛美:大丈夫だよ。“人の気持ちは強制出来ない”んだから、そこは茶化したり否定したら駄目
   だよ
倉本:……
実祝:愛美……
巻本:岡本……さすが俺が見込んだイイ女だな
優珠:(また? またこの女の黒さに惑わされる男?!)
朱寿:(こんな先生なんてお呼びじゃないんだよ!)
佳奈:お姉さんも必死やね
直実:じゃあ俺がダイジェストを読み上げるな
咲夜:あ?!

~~~~~~~~~~ダイジェスト 141話ー144話~~~~~~~~~~~~~~
えっと、まず141話は
 夏休み前に中学期(なかがっき)の健康診断は4日と始めに伝えておいたはずで、夏休み明けにも予定変更無く健康診断は4日と通知してたにもかかわらず、実際実施されたのは3日だった。
 敵を騙すには味方から。どこからか漏れて対策や警戒されるのを警戒したあの養護教諭が、直前で健康診断の実施クラスを差し替えたのが始まりだったな。ちなみにこのトリックを見破った読者様も一人いたぞ?
  それから女子2グループからの徹底抗議の間に、愛美ちゃん『っ!』への暴言にそこの先生がキレた。だけど、何とか親友のSOSをモノにしようと、踏み込もうと腹をくくったものすごく友達思いの愛美ちゃん『!!』は、傷つきながらも先生の協力をした。
 それと同時にあの女生徒Aの名前が発覚したんだったな。確か天城弓(あまぎゆみ)さんだったかな。
  愛美ちゃんの一言で、結局健康診断はそのまま行われる事になった保健室内。今度は養護教諭にさっきの2グループが食ってかかるけど、腹黒としての計算高い養護教諭の前に、全て言いくるめられた2グループ。結局女子の健康診断も行われたって話だったかな。

そして、142話は
 みんなの健康診断が終わって、多少悶着もあったけど、腹黒のごり押しで保健室内5人だけでの蒼依さんの健康診断を実施する事に。蒼依さんの上半身を見て、さっき一番頭が悪いって言われてた子『……』が、正直に白状したんだったな。
 えっと確か、後輩の部活の妨害とか、テストの妨害とか、愛美ちゃんの破局工作とか、そして親友の蒼依さんに対しての長期化した度重なる暴力。こういった諸々を、参加・実行したメンバー全員の名前と共に白状したんだったな。
 その際、養護教諭が【いじめ防止対策推進法】と【改正児童福祉法】に基づいて、その場にいた4人にしっかりと説明したんだったか。ただ、あの言い方は俺もどうかと思ったけど、主人公らしく可愛い愛美ちゃん『っ! ……』が養護教諭に食ってかかったんだったな。

次に、143話だけど
 全容を聞いた養護教諭が、天城さんと面談してる巻本先生や、学校関係者に連絡する為一度保健室を離れたんだったな。ただし、結局服は全部着た状態で健康診断は受けたっけ。
 その先生が戻ってきてから、学校側のとりあえずの公欠判断と共に、養護教諭の車で送って貰ったんだったか。その時、車内で色々話したんだよな。ただこれは養護教諭と可愛い愛美ちゃん『(もう……限界なんだよ)』の話だからダイジェストでは割愛するな。
 ただ、養護教諭との話で、公欠の際の電話連絡の話はしたけど、どうしても愛美ちゃんが首を縦に振らなかったのが、最終話に繋がるんだったな。 
 ここでもう一つ重要な齟齬の話だな。まずは二人の電話の会話をそのまま持って来た。これは二人に了承を得てるから問題ない。この会話の中で、どの電話に電話をするのか。この齟齬が最後色々な行動に繋がる。
「……愛ちゃん。明日はずっと家にいるんだよね。だったら明日(

)電話しても良い?」 
「もちろん良いよ。私で良かったらどんな話でも聞くし、何かあったらいつでも取れるようにしておくから、(

)電話してきてよ」
 どっちがどっちの電話のつもりなのか。これにより、蒼依さんは愛美ちゃんの家にかけたけど繋がらない。一方愛美ちゃんは携帯に連絡がないから、蒼依さんが頭から抜け落ちた。これが最終話における二人の行動原理、単位当たりの結果行動なんだな。
 ただ家にいるから固定電話。いつでも取れる性格をしてる電話は携帯電話。お互いがここまで意識してたら、無意識内でも認識できたと思うけど、とてもじゃないけど二人ともそんな余裕もなかった。
 そして先生達に隠れて、そこの頭の悪い友達『……』から以前から気になってたグループ内の秘密を聞き出したのが最後の引き金だったか。だから全く余裕のなかった愛美ちゃんは、弟の状態、気持ちに気づけなかった。

最後に最終話。
 頭の悪い友達『……』が全て話したにもかかわらず、学校側がサッカー部にまでメスを入れなかった。一番の問題に踏み込まなかったと判断した愛美ちゃんが、自分自身で全て明るみにしてやろうと、親友をたった一人見殺しにするわけにはいかないと単身、あのサッカー部男子に話を付けに行った。
 ただ、その男子はとんでもなく悪人だった。サッカー部で女子からの人気も高くて勘違いした男子生徒が、そのお付きの後輩男子と共に、他の女子達と同じように、事もあろうか愛美ちゃんに乱暴しようとした。いや、大変遺憾な事に乱暴したのか。
 二人目的を一致させた男子達が愛美ちゃんを更衣室へ引きずり込んだ時、さすがは親友。電話の繋がらなかった愛美ちゃんの行動を予想して、愛美ちゃんを追いかけるようにして単身学校に乗り込んだ。
 そこで見た愛美ちゃんと男子二人の状態は、親友の想像を遙かに超えてた。
 結局すったもんだの末、親友自ら体を差し出す事で愛美ちゃんを守ろうとした、まさにその時、派手な女の子が二人の前に救世主『(救世主……良い響きね)』のように現れた。しかも女の子一人に対して、スポーツ男子二人相手に、引けを取るどころか何故か圧倒する展開に。
 ただこれに関しても以前にしっかりと理由も含めて表現してたっけ。
 しかし、その時点では二人の状態はもうどうにもならなくて、それで男二人を許せなかった派手な女の子は男二人に、目一杯の腹いせをした段階で、あたかも襲われたように現場を作り、助けを呼ぶため大声を上げた。

 これが、読んでも、見てもしんどくない、重くない話でのダイジェストかな?

~~~~~~~~~~ダイジェスト141話ー144話 完~~~~~~~~~~~~~

慶久:……ってか、ねーちゃんの学校の人って、みんなこんな事考えながら会話してるのかよ。
   つかれね?
彩風:だって愛先輩だもん。愛先輩はとっても賢くてかっこ良いんだから
中条:だから、愛先輩は男なんかにくれてやる訳にはいかないんだって
慶久:(……みんなねーちゃんを美化しずぎだっつぅの)

愛美:みんなここまでお疲れ様
朱寿:ホントに疲れたんだよ。そしてナオくんはもうどっか行って良いんだよ
優珠:……
優希:……
佳奈:また二人おんなじ反応しとる
実祝:ちょっと咲夜興奮し過ぎ。また鼻血出てる
咲夜:いやだってこれさ?! 愛美さん学校外でも人気あるって事じゃん?! 何角関係よ?!
倉本:学外って……そんなよく分からん男なんて、岡本さんは相手にしないだろ
愛美:よく……分からない? 倉本君。朱先輩の彼氏さんを今、よく分からないって言ったの?
優希:(よっしゃ! また倉本の大減点!!)
佳奈:お兄さん。突っ込まんでええのんか?
優珠:いいのよ。お兄ちゃんは何をやっても絵になるんだから、余計な突込みは無粋よ
佳奈:優珠ちゃん。いくら何でもお兄さん好きすぎやろ
巻本:……そんなに、こんな青い男が良いのか? 俺の方が大人としての魅力あるだろ
雪野:先生。作者(カッコ)つけてないんで、全部聞こえてますからね
彩風:また清くんが蚊帳の外に……ひょっとして、清くんってカッコ良くない?
倉本:……
朱寿:そんなの、気移りばかりするナオくんよりカッコいい男性なんてそうそういないんだよ。
   気移りしなかったら最高にカッコ良いけど
直実:気移りって……朱寿(すず)の大切な女の子なんだろ? だったら俺もそれに倣わ
   ないと、朱寿(すず)の性格だと、それはそれで拗ねるだろ
朱寿:拗ねるって……そんなイジワル言うナオくんなんて、つーん。なんだよ
彩風:いや、つーんって……
優珠:これが魔女の力なのね。あざとすぎるわよ
佳奈:でも、そうでもしてあの年上のおにーさんを、あのおねーさんに任せといたら、岡本先輩
   は安泰なんちゃうの?
優珠:……確かにそうね
雪野:あの。本当に空木先輩の妹さんって、学年主席なんですか?
優珠:おいメスブタ。ちょっと本編じゃないからって調子乗ってると、蹴り入れるわよ
咲夜:け……蹴りって……愛美さんの友達にしては過激……でもないのかな?
愛美:ちょっと咲夜さん。それ、どう言う意味? 劇中で正直に全部吐いて、私に忠誠を誓った
   んじゃないの?
実祝:忠誠……あたしが誓う!
優珠:ほら。また腹黒な事ゆい始めたわよ
佳奈:岡本先輩。さすが主人公やな
巻本:俺が岡本に忠誠を誓う。だから俺の妻に――
優珠:おいロリコン教師! 今の発言教頭に言うぞ!
優希:愛美さんは誰にも渡さない! せっかくキスまでして気持ちまで通じ合ったのにこんな
   ところで愛美さんは渡せない! 愛美さんの傷を癒すのは僕だ!
倉本:いや俺だ!
愛美:大丈夫だよ優希君。人の気持ちは確かに強制できないけれど、私の気持ちも強制できない
   んだよ
優希:愛美さんっ!
倉本:……
咲夜:あたしの応援が無かったら、ただの会長であった。
彩風:ただの会長って……ひょっとしてこの中で清くん好きって誰もいない?
雪野:その方が良いんじゃないんですか?
彩風:それはそれで……
実祝:愛美の後輩。贅沢。

――――――――――――――幕間座談会 終 (後)へ―――――――――――――――――
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