こぼれ話(1):「エクーメン」ではなく「エキュメン」

文字数 1,076文字

 まず、この話、させてください。
 私の朗読劇の前説にも書いた、本当に大事な二つの固有名詞の発音について。

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例1.主人公二人のうち一人の名前は、「エストラヴェン」です。冒頭の「エ」にアクセントがあります。(ハ●カワ訳のように「えすとらーべん」ではありません。)

例2.もう一人の主人公ゲンリーの所属する惑星同盟の名前は、「エキュメン」です。同じく冒頭の「エ」にアクセントがあります。(ハ●カワ訳のように「えくーめん」ではありません。)

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 1の「エストラヴェン Estraven」のほうは、完全に私の「勘」でした。
 英語って他のヨーロッパ言語、例えばフランス語に比べて、圧倒的に語頭にアクセントが来る確率が高いんです。だから「

ストラヴェン」だろうと。「エスト

ーベン」ではないだろうと。
 日本語だと「ベー

ーベン」、なんて言ってたりしませんか、「ト」が高くて。あれももとのドイツ語では「

ートーヴェン」なんだけどな、「ベ」がいちばん高くてだんだん下がってくるの。

 さて、2です。「

キュメン Ekumen」。
 これはね、見た瞬間もう確信がありました。まちがいなく"ecumenism" "ecumenical" からの造語だろうと。
「エキュメニズム」は「(キリスト教内の)教会一致運動」のことです。異なる宗派を超えて、相互理解を深め、協力しようというね。
 ゲンリーの所属する惑星同盟の理念がそうじゃないですか、惑星同士の相互理解と協力。
 だから一千万歩ゆずって「えすとらーべん」だとしても、「えくーめん」じゃだめなんですよ。

 両方とも、ル=グウィンさんにお会いしたときお尋ねしたら、にっこりしてうなずいておられました。
 やったね! p(^^)q

 そうそう、エキュメンについてもう一つ。
 そもそもuの字を英語って「ウ」じゃなくて「ユ」って読むことが多いんですよね。
 え、何それ?と思われたかた、
 だってmusicは「ミュージック」じゃないですか。「ムージック」じゃないですよね。
 他も「キュート cute(可愛い)」「フューチャー future(未来)」「ヒューマン human(人間)」などなど。
「クート」「フーチャー」「フーマン」じゃないですよね。笑
 
 私の名前、ミムラ Mimura なんですけど、
「ミス・ミミュラ」
とかって呼ばれること多いです。笑
 それこそまん中にアクセントを置かれると「ミ

~ラ~」
 何そのニョロニョロみたいなの。えーん。ミムラ姉さんが好きなのにー。笑笑
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