第14話

文字数 781文字

 カーニバルでの就業はとても楽しかった。ストレスを感じるのは同じ日本から来た現役の二十代の大学生と接するときくらいで仕事はきつかったが人間関係の絆は外国人との間ではよくできていた。チケット売りとインフォメーションの仕事が与えられ、それにお金の管理がチケットショップのブースで私がいちばん正確だからと残業代があるわけではないが売上のカウントも現地のアメリカ人と一緒に残ってやった。深夜カーニバルを移動させるための取り外し作業や掃除も大変だったが日本人の中で私は高く評価された。段々とカーニバルの就業を辞めて去っていく人が多い中、私は六カ月のビザが有効な期間までアメリカにいたいと思ったので約三カ月くらいをカーニバルで働いて過ごし、週三百ドルもらえる給料をためながら最後はボスに辞める話をしてボスに「君はよく頑張っていたよ。最高だったよ!」とハグをして気持ちよく他の仲間にも挨拶して去ることができた。

 さてカーニバルで無事就業を終わらせた私はロサンゼルスのリトルトーキョーの日本人の多い安宿に滞在していた。無料で行かれるカリフォルニア州の州立のフリーアダルトスクール、コミュニティカレッジに毎日通い、英語を何時間も勉強していた。そのスクールは自己申告制でレベルが確定するとそのレベルの授業をいくつでも取ってもよかった。私はインターミディエイト、中級クラスにいた。日本人は少なく私意外には演劇俳優を目指していると話した男の人しか記憶がない。中南米からの移民が大多数だった。そのあと大きく差があって韓国人や中国人がいた。スイスからたまたまきていた中国系スイス人のウィリーはいまでも友達だ。他にもメキシコに帰ってしまったシルビアや未だにその学校に通っているシシともメールなどで連絡を取り合っている仲だ。

 最後はニューヨークで旅を終了した。有効期間ギリギリで日本に帰国した。
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