第31話（不思議な町編：最終話）
文字数 397文字
私はさっそくカナトさんと一緒に、あの”閉ざされた町”に向かった。
町には、ごくありふれた日常が広がっており、
電車やバスの行き来も復活していた。
（よかった……）
颯太君の家の近くまでいくと
３人の子供達の姿を見つけることができた。
あ、颯太君達だ……。
……声、かけてみようかな……
待って、紗奈ちゃん。
……多分話しかけても、紗奈ちゃんのことは分からないよ
え……？
悪魔に囚われていた時間、閉じられた町の記憶は、消えてしまっているはずだから……
……そう、なの……？
うん……
……
たまに思い出しても、怖い夢をみたと思うくらいじゃないかな……
……。
そっか……
私は、３人が庭で仲良く遊んでいるところを遠目にみた。
（私の事……忘れちゃったのか……。
……）
大切な人を失ってしまって、きっととても苦しかったと思うけど……
３人はいつまでも仲良く、幸せに暮らしてほしいな……
私はぽつりとつぶやいた。
……そうだね
