第28話
文字数 737文字
湯気がもくもくと立っていたので
ふーふーと息をふきかけ覚ます。
……そしてぱくっと一口……。
カナトさんは私をぎゅっと抱きしめ返してくれた。
……カナトさんはしばらく無言だった。
……そういえばカナトさん、初めて会った日も優しかったな……。
雪の日に、公園で泣いてたら、声をかけてくれたんだよね……。
あの時、すごく心細かったから、嬉しかった……。
ん、あれ……でもあれはパトローラーの仕事の一環か……。
……
少し、悲しそうな瞳で、
部屋を出て行ってしまうカナトさん……。