第45話

文字数 1,221文字



学校が夏休みに入ったので、


時間が空いてるときは可能な限り、カナトさんのところに遊びに行った。


一緒にショッピングに行ったり、テーマパークに行ったり、海に行ったり……。


たまにシュウトくんと、3人で出かけることもあった。





……夏休みが終わると、


しばらくカナトさんに会えない日が続いた。

(でも、この学校のテストが終わったら、また遊びにいくって約束したもんね。


がんばろっと……)





それから数日後……。


今日はカナトさんに会いに行くって約束した日。


(久しぶりのカナトさんだ……。


はやく、会いたいな)




私は学校が終わると、直接カナトさんのマンションに向かった。


(……カナトさんと連絡、繋がらなかったな……。


でも、仕事上、この日なら確実にいるって約束はできないから、


いつでも来ていいって言われてるし……大丈夫だよね……?)






……マンションに着いた頃には、もうだいぶ辺りは暗くなっていた。


とりあえずピンポーンとインターフォンを押してみたものの

返事がなかったので、合い鍵を使ってドアを開けることにした。

(あれ……電気ついてる……。


電気つけっぱなしで、疲れて寝ちゃったのかな……?)

カナトさん、こんばんはー……

もし寝ていたら起こしちゃうかな?と思い、少し小さめの声で呼びかけてみた。



シーンと静まり帰る部屋。


(……。


……カナトさん……いなさそうだな……。


電気消し忘れて出かけちゃったのかな?)






突然、背後に人の気配を感じた。


びくっとなる私……。

……

バッと振り向くと


真っ白のフードの人物が立っていた。


背格好からして男性のようだが……。

(……だ……れ……?


カナトさん……じゃない……


……シュウトくんでも……)

あなた……誰……?


……カナトさんは……

白フードの中の銀色の髪が、サラっと揺れた。

……。



カナト……前任のことか……。


前任なら、もうここにはいない

え……?

……。



星崎紗奈、君は……。


悪魔から引き離し、


パトローラーとパラレルの記憶を失くすことで、許そう

え……?


なに……

星崎紗奈。


かわいそうだが君の記憶、奪わせてもらう

え……記憶って……


カナトさんのことを……?

そう。


パトローラー関係のこと一切、記憶を奪わせてもらう。


前任も……君には相当甘かったみたいだね……

え、そんな……


いやだ、忘れたく、ないよ……。

……!

私は走って逃げようとした。


……しかし私の腕は既につかまれており、そのまま壁に押さえつけられた。

……や、やだ……


お願い……やめて……


カナトさんのこと……


みんなのこと……今まであったこと……忘れたく、ないよ

……

一瞬だけ合った瞳は……


とても冷たく、氷のようだった。

うっ……

押さえつけられた場所から

何か体に鋭い衝撃が走ったかと思うと、

私の体は突然ガクンとなり、全く力が入らなくなった。

や……だ……
私の瞳から、涙があふれ出す。

(やだ……やだよ……


カナトさん……忘れたく……ない……)




……遠のいていく意識に、白フードの冷たい手の感触だけが……


体に、残っていた……。













第三部【完】


第四部に続く

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登場人物紹介

星崎 紗奈 (ほしざき さな)


17歳 専門学生


本編の主人公。

ラビス

カナト

紬(つむぎ)

蓮(れん)

颯太(そうた)

その他人物


↓(以下ネタバレ含む人物:表情など)


読む前に見ないほうがいいかもしれません

ラビス

ラビス

ラビス

ラビス

ラビス

カナト

カナト

カナト

カナト

カナト


カナト

カナト

シュウト

シュウト

シュウト

シュウト

シュウト

シュウト

シュウト

カナト

カナト

カナト

カナト

カナト

カナト

駅員

青年悪魔

カナト

カナト

カナト

カナト

シュウト

シュウト

シュウト

シュウト

シュウト

シュウト

シュウト

シュウト

シュウト

シュウト

シュウト

カナト

カナト

カナト

カナト

カナト

カナト

カナト

カナト

男の子

女の人

男1

男2

???

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