第45話
文字数 1,221文字
学校が夏休みに入ったので、
時間が空いてるときは可能な限り、カナトさんのところに遊びに行った。
一緒にショッピングに行ったり、テーマパークに行ったり、海に行ったり……。
たまにシュウトくんと、3人で出かけることもあった。
……夏休みが終わると、
しばらくカナトさんに会えない日が続いた。
それから数日後……。
今日はカナトさんに会いに行くって約束した日。
私は学校が終わると、直接カナトさんのマンションに向かった。
……マンションに着いた頃には、もうだいぶ辺りは暗くなっていた。
とりあえずピンポーンとインターフォンを押してみたものの
返事がなかったので、合い鍵を使ってドアを開けることにした。
もし寝ていたら起こしちゃうかな?と思い、少し小さめの声で呼びかけてみた。
シーンと静まり帰る部屋。
突然、背後に人の気配を感じた。
びくっとなる私……。
バッと振り向くと
真っ白のフードの人物が立っていた。
背格好からして男性のようだが……。
私は走って逃げようとした。
……しかし私の腕は既につかまれており、そのまま壁に押さえつけられた。
一瞬だけ合った瞳は……
とても冷たく、氷のようだった。
押さえつけられた場所から
何か体に鋭い衝撃が走ったかと思うと、
私の体は突然ガクンとなり、全く力が入らなくなった。
……遠のいていく意識に、白フードの冷たい手の感触だけが……
体に、残っていた……。
第三部【完】
第四部に続く