第10話
文字数 509文字
売店でミニ弁当を買い、中庭に来た。
子供達とも離れるタイミングをはかりつつ、
ここが一体どこかも分からないので
情報を引き出そうと少しだけご飯を食べながら話をすることにした。
俺は颯太。小３だよ
僕は蓮、颯太と同じ小３
私、つむぎ。小学校２年生だよ
３人、仲いいんだね
うん、僕たち幼馴染なんだ。
これからもずーーっと一緒にいたい
幼馴染かぁ……。
……お姉ちゃんもそんな人いるなぁ
仲良し？
うん、そうだね
ところでお姉ちゃん、この学校の人じゃないみたいだけど、
どうしてここにいるの？
ぶっ……
（子供はストレートだ……。
なんて答えようか……）
え、えっと
人を探してて……
人……？
うん
名前は……？
ん……
（名前だしちゃっていいものか……）
んー名字も分からない人なんだけどね……
そうなの？それじゃ探すの大変そうだね。
……手伝おうか？
えっ！
う、ううん、いいよ
そう？
（小学生はめっちゃ素直で優しいな……）
ところで……
キーンコーンカーンコーン
あーそろそろ午後の練習が始まる時間だよ
あ、ほんとだ
おねーさん！僕たち学校のグラウンドにいるから。
またなにかあったら呼んでよ！
うん
またね、お姉ちゃん
女の子が、にっこりほほ笑む。
うん、またね
私は子供達を手を振って見送った。
