第25話
文字数 1,310文字
突然辺りに黒く重苦しい気配が漂った。
カナトさんと悪魔が戦い始める。
カナトさんの方が強い。
床に倒れた悪魔を前に、カナトさんが拘束用の武器を生成すると、
悪魔の前に小学生3人が駆け寄り、立ちはだかった。
シュウトくんが何か呪文を唱えると、子供達はぴたりと止まり、動けなくなった。
カナトさんと悪魔は再び戦闘を始める。
圧倒的にカナトさんの方が強い。
悪魔は子供をカナトさんの方に蹴り飛ばすと、
子供から光り輝く生気みたいなものを奪い取った。
子供たちの手を取ろうとした、その時……
ザクッと何かが刺さる感覚……。
黒いオーラを帯びた子供達の体から、
黒い影の刃がのび、私の体を、貫いていた……。
私はその場に崩れ落ちる……。
目が霞んで視界が狭まる……。
カナトさんとシュウトくんは私を守りながら戦っているせいか、
動きが鈍い。
(私……何やってるんだろ……。
なんでここにいるんだろ……どうして何もできないの……
……それどころか……
……私のせいで……2人が……。
……魔法って、どうやって使うの……。
2人を……颯太くんたちを……助けたいよ……)
ブレスレットが再び熱くなる。
ブレスレットから放たれた、光り輝く刃は
悪魔の方へと向かい、ズバッと悪魔の体を貫いた。
それ以上見守ることもできず、
私はふっ……と意識を失った……。