第10話:AP形式シェアH宿泊体験1

文字数 1,639文字

 そこで、食事、歓談、趣味、音楽を満喫してもらう形式で既に40棟以上、7施設が営業開始
していると言った。メリットは手ごろな値段で利用できる事、あまり人づきあいの苦手な方でも、自分の部屋で自由に生活できるし、集会場に常駐している。管理人さんが、毎日、見回りくるシステムになっている。

 宇都宮、高崎、水戸の郊外や東京から私鉄で、1時間ちょいの郊外で、最寄り駅まで遠い、車がないと不便というのが難点だと言った。その分、保証金なしで価格は、食事なしで、最低、月に5~7万円から、食事つきでは、月、8~10万円、一年分、前払いで割引なるそうだ。

 石島さんが、こういう施設の体験宿泊をして、問題点や気の付いた意見を聞きたいので、また4人にお願いしたいのですがと話した。山下さんが、石島さん、あと何回、体験宿泊をしてもらいたいのと質問すると2回ですと答えた。1か所が高崎でもう一つは東松山です。山下さんが、反対される方はいませんかと、残りの3人に聞いた。

 北山さんが2回で終了ですねと確認できれば了解しますと言った。他に反対はなく翌月と翌々月に体験宿泊する事にした。日程は、後日石島さんに伝えると言うことになった。翌週火曜日、高崎のアパート形式のシェアハウスに体験宿泊と決まった。4人は、前もって、新幹線の切符を送ってもらい、当日は10時の新幹線に乗り出発。

 11時過ぎに高崎で待っていた石島さん達の車で20分、めざすシェアハウスに到着した。あたりは田んぼと畑が多く、まさに田園風景だった。近くの集会場の様な大きな家に入り、石島さんたちが用意してくれた弁当をいただいた。その後、近くのショッピングセンターへ行き、近隣調査を始めた。

 大きなスーパーが数件あり問題なし。バス停までは徒歩15分で本数も少なく、車が必要。車で15分の所に温泉施設があった。折角なので湯につかって休む事にした。デラックスな設備ではないが安い値段で問題はない。帰りにスーパーで食料を買いこんで帰る事にした。

 集会場で、ゆっくりしていると夕飯をつくってくれる木下さんが来られた。挨拶後、高崎では小麦生産が盛んで、パスタ料理がちょっとした名物だといいニンニクのきいた、アサリのボンゴレをつくりますと言った。ワインも持参したと言うので大喜びをした。少しして、にんにくの良い香りが鼻をくすぐった。

 パスタを取り分け始めたので加藤さんがワインをグラスに注ぎ始めた。このボンゴレが、実に旨い、ワインまでついて、ちょっとしたディナーパーティーとなった。食事を終えて、佐島が冬は寒いのですか、また雪は降るんですかと質問した。雪は、あまり降らない。朝もマイナス10℃程度までで、特に寒いとい事もないが冬の昼間に空っ風が吹くのがきついかなと言った。

 田園地帯特有の事って何ですかというとカエルの合唱が聞こえますが、うるさいと感じるか、風情があると感じるかは個人差があると言った。秋の初めにトンボが飛び秋にはヒガンバナ(曼珠沙華)が田んぼの周り一面に咲きほこり、きれいですよと言った。

 この辺の農家の人が副業としてアパート経営を始め、最初は全室満室で儲かったみたいです。それを見ていた農家の人が後追いで多くのアパートを建てたため過剰になり、今は空室が目立つ様になり建設会社の家賃保証問題でトラブルが起きている様ですと言った。

 高齢者だけの大きな農家の空き家も目立つ様になっているのが、ちょっと残念ですと言った。 まかないの木下さんが他にご質問はありませんかというと、北山が治安は、どうですかと質問した。もちろん高崎も大きな町で、いろんな人がいますから絶対安全という訳にはいきません。

 しかし、痴漢が出たとか、運転が、特に荒いという事もなく、普通ですと笑いながら言った。後に、木下さんが、高崎は、新潟や長野、富山、金沢への新幹線の中継地で旅行するには便利で、家族で善光寺言ったり、新潟の寺泊の魚屋へ行ったり、金沢へ行って、楽しんでますと言った。
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