第25話:シェアハウスの格付けと報酬とみどりさんの急死

文字数 1,588文字

 石島さんが帰った後、山下さんが、佐島、北村、加藤さんに話すと大変でしたが、乗りかかった船だから、最後まで面倒見て、あげましょうと木島さんが言った。みんなも了解し、都合の良い日を決めてもらった。11月の第2火曜日に行く事にした。当日、朝9時に石島さんが迎えに来て、会社に9時半に到着。

 会議室で、73ヶ所に高齢者シェアハウスを建てる予定だと語った。その建物について、◎の物件から、◎、△の物件まで、順番にスライドを使って矢継ぎ早に説明していった。もし、意見、疑問点が、あれば言って下さいと言った。どんどん、スライドが出てきて、昼までに、33ヶ所。昼食は、おにぎりとサンドイッチで飲み物か片手にもちスライドを見続けた。

 途中、トイレ休憩と15時に15分休憩、夜18時過ぎに終了し、特に異論は、出なかった。△の物件はアパートしか作れない物件で土地代も安そうなので貧困老人向けアパートと多く建てるそうだ。政府も、所有不明の土地に20年利用権与える法案を決議した。それは、東京に増え続ける高齢者問題の解決のために考えた方策だった。

 そして格安賃貸の老人アパートへ貧困老人を入居させたいために考えた苦肉な策だと言った。19時過ぎ、老人シェアハウスにもどり、早めに床についた。数日後、石島さんが、大きなお土産を袋をもって、たずねてきた。山下さん達、4人に、お礼を言った。

 実は、12月18日に山下さんの会社で、今回の土地の利用権獲得地の利用が決まったのを記念して、お礼のパーティーを開くので是非来て欲しいと言うのだ。ちょっとしたサプライズもあるからと意味深な笑いを浮かべた。北村さんがサプライズって何と聞くと、それは来てのお楽しみと言った。12月18日は特に、用事ないからと言う事で4人で参加を了解した。

 例の12月18日となり午後1時半に石島さんが迎えに来て、会社に2時過ぎに到着、大きな、会議室に50人位、集まっていた。彼ら4人が到着すると、社員達からおおきな拍手が起きた。石島さんが、壇上のマイクの前で、老人シェアハウスや老人アパートのモニターになってもらい、貴重な御意見といただいた。

 さらに、体験宿泊で、我々、社内の者が、思いつかないような事を教えてくれ、この仕事も大成功を収めた。誠にありがとうございますと、頭を下げた。続いて、会社の社長が、本当に感謝しますと言った。今までの感謝の気持ちを特別ボーナスという形で、お渡ししたいと思いますので名前を呼ばれたら壇上までお願いしますと言われた。

 山下圭介、佐島米子、加藤圭、北山さゆりの順番で呼ばれて、社長から直接、特別ボーナスをいただいた。社長から特別ボーナスをもらうたびに一斉にフラッシュの嵐で、多くの写真を撮られた。後日、石島さんが老人シェアハウスに多くの写真を届けてくれた。特別ボーナスの中身は50万円と高額なのには全員ビックリした。

 2023年の年が明けた。今年は寒い日が多く東京でも雪が降る日が増えた。山下さんが風邪を引いて、熱が出たので、救急病院に担ぎ込まれた。診察の結果、B型のインフルエンザとわかった。幸い、老人シェアハウスで流行するまでにはいたらず、佐島米子も安心した。彼女の友人の佐藤みどりは一人でいる時間が長く他人との接触を好まずに生活していた。

 だた、風邪を引くわけでもなく、淡々と、毎日を過ごしていた。1月下旬の寒い朝、9時になっても起きてこない佐藤みどりを心配して佐島米子がノックしたが、応答がないので部屋に入ってみると布団から出た格好で、佐藤みどりが仰向けに倒れていた。

 急性心筋梗塞だった。お医者さんが来て死亡を確認した。この事態に、佐島米子、北山さゆりが、友人の死を悼んで泣き崩れた。友人の加藤さんが、遺体の前で、愕然とするだけだった。そして、簡単な葬儀が行われ、佐島、北山、加藤さんが参列した。
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