第24話:シェアHでインフルエンザ流行での死

文字数 1,656文字

 山下さん達、4人に抽選で、数名、無料ご招待のキャンペーンを打つのは、効果ありますかねと、たずねると多くのお客を囲い込むためには、早めに手を打つのが一番良いと答えた。石島さんが、それなら、春の四国、九州、山陽、瀬戸内海、夏の東北、北海道、信州、秋の日光、熱海、湯河原、箱根、冬の沖縄、石垣島でやってみますと答えた。

 会社も帰り、予算が出る限り、キャンペーンを打ちますと告げた。寒い季節となり、今年は、インフルエンザの流行が、早く始まった。このシェアハウスの近くの小中学校で、流行の兆しが見え始めた。この高齢者シェアハウスでも大型加湿器をリビングに2台置き、湿度を40%以上に保つようにフル回転していた。アルコール消毒液も2つ置いて利用した。

 そんな時、ケアー担当の佐藤正子さんが、マスクをして、出勤して来て、風邪気味ですが、替わりの人が見つからないので、出勤したと言った。しかし午前中で、咳がひどくなり、熱も出てきたので早退。かわりにシェアハウスのオーナー池川久美子さんがやってきた。その後、もう一人のケアーの鈴木和美さんと2人で面倒みてもらう事になった。

 翌日から、急遽、佐藤正子さんのかわりに、臨時で北川君子さんが、ケアー担当と言う事で来てくれた。数日後、北村さんと君島好子さんが、咳と高熱でダウンした。早速、お医者さんに往診してもらうと、北村さんは軽度で。薬をもらった。しかし、君島好子さんは、容態が悪く、近くのKU病院に入院する事になった。

 入院5日目、肺炎を併発して君島さんが、あっけなく亡くなった。この知らせを聞いたシェアハウスの住人達は、一様に信じられない様子で、ふさぎ込んだ。住人達は、全員70才以上で、明日は我が身と思い、急に落ち込んだ。そんな時に佐島米子さんが、3年前に旦那さんの佐島一郎を肺炎で亡くした時を思い出して泣き出した。

 少しして、シェアハウスのオーナー池川久美子やケアー担当の佐藤正子さんが、じっくり話を聞いてあげ、佐島米子さんも、やっと気持ちを落ち着き、泣き止んだ。ごめんね、みんなが、沈んでいる時に泣いてしまってと、謝った。翌日、すっかり元気なった佐島米子が、シェアハウスの女性達と組んで自分たちを励ますために「コーラスの昨夜」という音楽会を開いた。

 彼女たちの澄んだ声に勇気づけられシェアハウスの住人達に、いつも通りの明るさが蘇った。週末には北村さんも熱が下がり、すっかり回復した。その後、全員で、うがい、手洗いを励行して風邪、インフルエンザを予防していた。12月24日、クリスマスイブに不動産会社の石島さんが、大きなクリスマスケーキと、ケンタッキーフライドチキンの箱をもってやってきた。

 メリークリスマスと、おどけていった。すると佐島米子さんが、手をそこの消毒石けんで洗って、うがい液でうがいして下さいと言った。石島さんが、ごめんごめん、と言いながら、手早く手洗いと、うがいをした。この様子を見ていた住人達が大笑い。その後、いただいた、クリスマスケーキを切り分けて、みんなで、ご馳走になった。

 石島さんが、今年は皆さんに協力してもらって新しい仕事の方針も決まったし、昇進できたり、最高の年でしたと話してくれた。また来年も宜しくねと言うと石島さんを数年後には部長さんにしてあげないとねと、北村が笑いながら言うと石島さんが、しおらしく皆さん宜しくと、と頭を下げるのを見て会場から大きな笑いの声が響き渡った。

 そんな、いろいろあった2021年も暮れていった。翌週、石島が大きなお土産袋「和菓子、洋菓子」をもってシェアハウスを訪れた。山下達四人に先日のお手伝いのお礼を言った。石島が山下さんに前日の謝礼金20万円ずつ以前聞いた4人の振込先に振り込みますと言った。

 山下さんが各自に、口座が変わっていない事を確認した。石島が、また2021年11月に各利用権獲得土地に建てる建物が決まったので、また見て確認してもらいたいのですがと言うと、残りの3人に都合を聞いて、電話すると約束した。
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