第3話:高齢者シェアハウスでの運営会議

文字数 1,620文字

 金曜の10時からパソコン教室。時間は、1時間と決める。どうですかと、みんなに聞いてみると拍手で承認された。土、日のどちらかで、気が向けば、麻雀大会、持ち寄りの賞品で1~3位の賞品を用意したりすると楽しみも倍増する。吉武さんがケアー担当の佐藤さんに、例えば数人で日帰りとか1泊くらいで小旅行なんか、しても良いのですかと質問した。

 佐藤さんが、必ず携帯電話を持参し、行動してもらえれば、自己責任で自由に企画していただいて、結構ですと告げた。但し企画が決まり次第、最低7日前には、ケアー係に提出して下さい。もちろん冬山登山とか危険を伴う事はやめてもらいますがと言った。基本的には、支援、介護の必要のない人ばかりなので、自己責任でご自由に楽しんで下さいと語った。

できるだけ自由に過ごしていただくのがモットーですと佐藤さんが、付け加えた。翌週から日程とカリキュラムを張り出して1日1教室を開始した。2週間が過ぎで、麻雀の人気が高く、知らない人も教えての要望が増えた。そして、日程関係なく時間のあれば、麻雀牌を表にし、見える様にして、こう入ったら、こう打つ、こうしたら駄目とか解説をする様になった。

 2卓、8人で、上手い人達は競技形式で自動麻雀台で楽しんだ。知らない人や初心者には、ベテランさんから見えるようにした麻雀牌で、実際に、ゆっくりと掴んだ牌と捨てる牌の理由をその都度、教えてもらった。1ヶ月後には、多くの人が麻雀ができる様になり8人、2卓で対戦を楽しむようになった。

 ただし、時間制限を設けて、10時から15時までの時間で最大4時間と決めて楽しむようになった。その他、占いの上手な山田君子さんがタロットや風水、星座、手相、人相占いで仲間のをみてあげたりして喜ばれた。また、読書好きで小説を書いたり短歌、俳句の得意な佐藤みどりさんには、多くの人が、いろんな質問をして重宝がられていた。

 山下圭介さんが無類の珈琲好きでサイフォンで豆をひいて、珈琲を楽しんでいた。そのたびに、良い香りがシェアハウス中にただよっていた。そこで住人の中で数人が、珈琲を飲ませて下さいと言いだし6人用の硝子容器とおおきなサイフォンを買って山下さんに入れてもらうようにお願いした。

 山下さんは、申し出を快諾して毎日入れてくれる様になった。そして各人から、どの様なタイプの珈琲が飲みたいのか聞き出した。それにあった珈琲豆を選んでネットで買うようにしてくれた。お金を出すというのだが、山下さんがいらないというので、大きめの貯金箱を用意して一杯いただくごとに最低百円を入れる様にした。

 佐藤広さんは、紅茶のマニアで、毎日、数種類の紅茶を楽しんでいた。紅茶もみんなに好評で、無料で入れてもらっていたが、珈琲と同じ様に最低百円を出すようにして継続できるようにした。 その珈琲、紅茶にあう、和菓子、洋菓子、ケーキ、菓子パンを買ってくる様になって、毎日、お茶会が盛んに行われるようになっていた。

 木下あゆみさんが昔、喫茶店で働いていた、また佐島米子、山下圭介が料理好きでスポンジケーキの台を買ってきて生クリームを作りイチゴやキイウイ、オレンジ、ブルーベリーなどをトッピングしてケーキを作ってきて、お茶会が、さらに豪華になった。もちろんケアー担当の方も含め、住人全員で楽しみ、たずねてきた人にも出しする様になった。

 数日後、旅行好きの北山さゆりと山下圭介さんが数人で旅行しないかと言い、近くの駅から日帰りのバス旅をしようと言い始めた。このプランに、木島恵子、加藤圭、長野仁の4人の参加希望者が出たので翌週火曜日に出かけた。佐藤みどりは、旅行よりも自分の部屋で本を読んでいたいというので行かなった。

 静岡方面で、お寿司食べ放題と、名所旧跡めぐりと、魚の干物のお土産つきで三千八百円、朝7時Y駅出発で、夜七時に到着予定。多くの旅行の記念写真や名所の写真をとってきた様で大喜びで帰ってきた。
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