第12話:シェアHの体験発表会に出席1

文字数 1,638文字

 有名店の名前を聞いて、翌日、食べに行くことにした。気候を聞くと、熊谷が近いので夏の暑い事が有名だと言い、冬も山に近い所はマイナス10℃位になるので朝は寒い様だ。田んぼ、畑が多く、農家の高齢化で耕作放棄地が目立つ様になったそうだ。この地区の特長は、とにかく公園が多く自然豊でゴルフ場も非常に多い点かだと話してくれた。

 その晩は農家の大きな畳部屋2つに4人で寝た。翌朝は昨日購入した、おにぎりやサンドイッチと珈琲紅茶で朝食を済ませた。9時半頃に石島さん達がやってきて感想はどうですかと質問した。都心から近い割に、緑が多く、公園が多くあって良い所ですねと、加藤が答えた。畳の大広間も風情があり、よく寝られましたと北山が言った。

 石島が欠点は、夏暑く、冬寒いみたいですと告げた。少しして石島が、これで、体験宿泊は終了しました。近いうち、我が社で今後の老人シェアハウスの営業会議があるので体験宿泊者、入居対象の高齢者としてのお考えを伺いたいと思いますので参加いただけないでしょうかと言ってきた。

 山下さんが参加しても良いですが、日当は出るんですかと笑いながら言った。もちろん調査費用として1人3万円づつ、あなた方4人には支払いますと言った。ただ、この日、同年代の方々が見学者として20人、他に施設運営希望者が10人参加しますので、是非、調査した事は内緒でお願いしますと言った。

 もちろんしゃべりませんよと答えた。他の3人もその条件で了解した。日時は、来月の第3、土日の午前10時からで山下さん達4人は、最終日の日曜に出席して下さいと言われた。午前中は、山下さん達4人と社内の者だけの会議で一般来場者は午後2時からの全体会議に出席しますと言った。

 なお会場は数カ所のブースを設けてパンフレットを置き質問に答えられるスタッフと常駐させておきますと言った。山下さん達4人は、話し合った結果、特にその日、用事がないので出席する事にした。石島さんに依頼された、建設会社の会議に向かうため、山下、佐島、北山、加藤の4人は朝8時半に出発し、会議開始20分前に会場に到着し石島さんに挨拶をした。

 会議で社内の者から意見を求められるかも知れませんが、率直に、良い、悪い、わからないといって下さって結構ですと言った。会議が始まり、今後、75才以上の単身と夫婦の老人の首都圏の人口が示され、東京、神奈川、埼玉、千葉の人口比率が多くなって行く事がわかった。このままでは、首都圏ので介護を受けられない介護難民が増える事が予想された。

 そのため、高齢者を地方に移住させる事業「日本版CRCC」が、既に、数年前から始まったが思った程の成果が得られなかった。そこで、首都圏内、茨城、栃木、群馬、山梨、静岡を含めて大きな農家を改修した老人シェアハウスが数年前から増えてきた。

 農地にできた数多くの節税対策の入居者が少ない小さなアパートを再利用して作る老人アパートを開発し始めたとの発表があった。フロアーには50人程の社員が詰めかけていた。最初に石島さんが体験宿泊した山下さん達、4人と、その他、6人を紹介した。次に議長が、体験者に、御意見を伺いますので宜しくお願いしますと言った。

 最初に、老人シェアハウスで、良かった場所と、理由、悪かった場所とその理由を教えて下さいという、質問が出た。議長が、その質問は、どなたに聞きたいのですかと聞くと、できたら全員にと言った。最初に山下さんが我々4人で話した結果をお話ししますと言い、二重丸(◎)の施設は南房総、山梨のシェアハウスでした。

 理由は温泉、大病院があり買い物便利、自然が良い点。南房総は更に温暖である事ですと言った。丸(○)の施設は高崎のシェアハウス、交通の便が良い、大病院、買い物施設がある。マイナス点は、冬の空っ風と雷、夏の嵐。今一つ良くなかったのは東松山だった。理由は、小さいアパート形式のシェアハウスで、近くに集会場の施設を作り、娯楽、食事で使うと言う施設。
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