第14話
文字数 746文字
「ごめんなさい。今まで嘘をついてたの」
その日の夜のことです。窓からやってきた詩織ちゃんは、私にそう謝りました。その告白は、つまり、ミナミちゃんが話していた通りの、「双子で入れ替わっていた」という内容でした。私はまさか詩織ちゃんのほうから打ち明けられるとは思わず、びっくりしましたが、だんだんえらく興奮してきました。
「やっぱりそうだったんだね!」
詩織ちゃんは目を丸くしました。「えっ、まさかもうみんなにバレてるんじゃあ……」
「ううん、違うよ。ミナミちゃんが気づいたの。すごいよねえ」
「そう、それなら良かった……。あのね、今日は佳奈ちゃんにお願いがあって、この話をしたの。毎日毎日お願いをしてるみたいで、ほんとうに悪いんだけど……」
「いいよぉ。で、どうしたの?」
「実は、サオリとケンカしたの」
「へぇ⁉」私は声をあげました。「いったいどうして……」
「もう入れ替わりなんてしたくないって、そう言うのよ」
詩織ちゃんは悔しそうに、唇を噛みます。なんと、家に帰って顔を合わせた途端、もう二度とこんなことはしないと怒鳴られたのだそうです。それでさっきまでつかみ合いの大げんかをしたのだそうで、そういえば、ちょっと詩織ちゃんの目が赤くなっていました。
詩織ちゃんはすっかり参っているようで、頭を抱えて言いました。
「いったいどうすればいいの。明日から私ひとりだなんて……」
「ふむ?」私は首を傾げます。
白状しておけば、私には別に、それ自体は大した問題ではないように思えたのです。
だって別に、人と会うぐらい大したことじゃあないし、まったく口がひらけないというわけじゃあなさそうだし、なにを困ることがあるのかわかりませんでした。
「でね! 超イケてるアイディアを思いついちゃったの!」と詩織ちゃんが言いました。
その日の夜のことです。窓からやってきた詩織ちゃんは、私にそう謝りました。その告白は、つまり、ミナミちゃんが話していた通りの、「双子で入れ替わっていた」という内容でした。私はまさか詩織ちゃんのほうから打ち明けられるとは思わず、びっくりしましたが、だんだんえらく興奮してきました。
「やっぱりそうだったんだね!」
詩織ちゃんは目を丸くしました。「えっ、まさかもうみんなにバレてるんじゃあ……」
「ううん、違うよ。ミナミちゃんが気づいたの。すごいよねえ」
「そう、それなら良かった……。あのね、今日は佳奈ちゃんにお願いがあって、この話をしたの。毎日毎日お願いをしてるみたいで、ほんとうに悪いんだけど……」
「いいよぉ。で、どうしたの?」
「実は、サオリとケンカしたの」
「へぇ⁉」私は声をあげました。「いったいどうして……」
「もう入れ替わりなんてしたくないって、そう言うのよ」
詩織ちゃんは悔しそうに、唇を噛みます。なんと、家に帰って顔を合わせた途端、もう二度とこんなことはしないと怒鳴られたのだそうです。それでさっきまでつかみ合いの大げんかをしたのだそうで、そういえば、ちょっと詩織ちゃんの目が赤くなっていました。
詩織ちゃんはすっかり参っているようで、頭を抱えて言いました。
「いったいどうすればいいの。明日から私ひとりだなんて……」
「ふむ?」私は首を傾げます。
白状しておけば、私には別に、それ自体は大した問題ではないように思えたのです。
だって別に、人と会うぐらい大したことじゃあないし、まったく口がひらけないというわけじゃあなさそうだし、なにを困ることがあるのかわかりませんでした。
「でね! 超イケてるアイディアを思いついちゃったの!」と詩織ちゃんが言いました。