第7話
文字数 651文字
翌朝、私が眞見さん家のチャイムを押すと、詩織ちゃんが一人で出てきました。挨拶ということだったので、てっきり姉妹二人で出てくると思っていたものですから、「あの、一人だけ?」と訊きました。「あの子はいいの」と詩織ちゃんはいいます。
私たちは通学路を歩きました。
歩きながら、いろいろ町のことを話します。
線路の下をくぐるトンネルでのルール。上に電車のあるときはガシャコンガシャコンと大きな音がして危険なので全力で走ること。私たちはその音が鳴ると「トンネルが崩れるぞ!!」と言って走り抜けるのがお決まりになっています。それから謎の建築物。建物に直接『光』って書いていて、すごく目立つのです。それから一度も開いたところを見たことがない喫茶店。いつもシャッターが下りているのですが、周りの大人に聞くと営業はしているそうです。
それから一番大切なのは、通学路から道をはずれた途中にある駐車場のことです。そこは私たちのあいだではとても有名な場所で、〈スカタンゾーン〉と呼ばれて恐れられています。その駐車場に子どもが足を踏み入れると、そばにある酒屋の店主が飛び出してきて「いたずらするな、このスカタン!」と怒鳴るのです。実際はいたずらなどしていない場合がほとんどなのですが、ともかく通っただけで駄目なので、引っ越してきたばかりの詩織ちゃんには是非伝えておかなければなりませんでした。ただ、やっぱり口で説明しても危機感が伝わらないので「気を付けるね」とは言ってくれたものの、あんまり重視している風ではありませんでした。
私たちは通学路を歩きました。
歩きながら、いろいろ町のことを話します。
線路の下をくぐるトンネルでのルール。上に電車のあるときはガシャコンガシャコンと大きな音がして危険なので全力で走ること。私たちはその音が鳴ると「トンネルが崩れるぞ!!」と言って走り抜けるのがお決まりになっています。それから謎の建築物。建物に直接『光』って書いていて、すごく目立つのです。それから一度も開いたところを見たことがない喫茶店。いつもシャッターが下りているのですが、周りの大人に聞くと営業はしているそうです。
それから一番大切なのは、通学路から道をはずれた途中にある駐車場のことです。そこは私たちのあいだではとても有名な場所で、〈スカタンゾーン〉と呼ばれて恐れられています。その駐車場に子どもが足を踏み入れると、そばにある酒屋の店主が飛び出してきて「いたずらするな、このスカタン!」と怒鳴るのです。実際はいたずらなどしていない場合がほとんどなのですが、ともかく通っただけで駄目なので、引っ越してきたばかりの詩織ちゃんには是非伝えておかなければなりませんでした。ただ、やっぱり口で説明しても危機感が伝わらないので「気を付けるね」とは言ってくれたものの、あんまり重視している風ではありませんでした。