恋する山田と無自覚タラシの高橋さん11

文字数 878文字

最終話 独占権のゆくえ

「インチョー、今日のおやつは?」

「今日は柿ピー」

 オレが柿の種を食べるとインチョーが笑う。

 カリカリカリカリカリカリカリカリカリ
 (*‘ω‘ *)
 時々食べるピーナッツの甘味にホクホク。
 (*´ω`*)
 コリコリコリコリコリコリコリコリコリ
 (*`艸´)
 
「ねぇ、あんたら付き合ってんの?」

 オレとインチョーの間に滝本が入ってきた。滝本はオレにお菓子をくれた女子の1人だが、インチョーの独占権が気にくわないらしい。

「付き合ってるよ」

 オレがさも当然に答えると目の前から柿ピーが消えた。

「適当なこというと没収……付き合ってはいない」

「え! だってインチョー、オレの口はあたしのだっていったじゃない……」

 そこまで言いかけ景色揺れた。胸ぐらを捕まれたオレにインチョーの顔が近づく。

「ああ、この口は誰にもやらない」

 そう言って柿の種をオレの口に入れる。

 キャーーーーーーーーーーー!!(☆∀☆)

 クラスの女子から奇声が上がる。
 正直、オレも奇声あげたい。インチョー、ずるい~!!
 ポリポリポリポリ(///ω///)

「じゃあさ、もし山田が他の子と付き合うってなったらどうするの? 彼氏が他の女子からおやつ貰うって変でしょ。そしたらその独占権は無くなるの?」

 …………
 胸ぐらを掴んだまま考え込むインチョー。

「山田、好きな女子でもいるのか?」

 好きな子に好きな子いるのかと聞かれてしまった。オレは小さく頷き指を指す。

「だからインチョーが好きなんだって……」

 インチョーは再びオレを引き寄せた。

「本気か?」

 再び頷くと、顎を引かれ柔らかいものが唇にあたる。
 
 キャーーーーーーーーーーー!!
 (*ノ▽ノ*)

 女子の奇声が再び上がり、ついでに男子のどよめきも。

「……柿ピーくせぇ」

 インチョー、笑いながらオレの頭をポンポンと叩く。

 え? え? え? えーーー?
 今のって、今のってまさか、キ、キ、

「逃げるなよ。私も山田が好きだ。だから山田はもう私のものだ」


 ──────こうしてインチョーは
 オレの独占権を全て手にいれることとなった。


おわり!!
 

 



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