かえるの王子さま 第4話
文字数 806文字
私の好きな人
私の好きな人は山口達男。
小学六年生で『かえる』好き。周りが愛だ恋だと騒いでいてもお構いなしの『かえるオタク』である。休みになると山だ、川だと、網とバケツを持って出掛けている。
家が隣りで歳も一緒、おまけに両親共に気があって何だかんだで家族ぐるみのお付き合い。だから何をするのも、どこにいくのも一緒なの。おかげで私までかえるに詳しくなっちゃった。
たっちゃんのことは手のかかる弟、ずっとそう思っていた。
……だけどね、
私はある時恋をした。その相手は『かえるの王子さま』それは絵本でもゆるキャラでもない、紛れもない彼(たっちゃん)なのだ!
だけど、たっちゃんは私に正体を隠している。何のためにそうしているんだろ?めんどくさいな。だけど、好きだから仕方がない、そこは騙されてあげよう。だからね、私が気付いていることを悟られてはいけないの。
* * *
突然現れた黒のフルフェイスヘルメット。
たっちゃんのお父さんの物だってすぐにわかったよ。どんだけ一緒にいると思ってるの。
それにそのかえるのTシャツ、黄緑色のリアルなニホンアマガエル。たっちゃんママが作ったオリジナルTシャツだし、他でそれ着てる人はまずいないよ。
それから膝につけた深緑色の絆創膏は近所の種苗センター二十周年の記念品。今朝、私がたっちゃんに貼ったものじゃない。
「わー!モリアオガエルの色だ」
なんて喜んでいたのに。
これでバレないと思っていたのかな。ま、そんなポワポワしたとこもたっちゃんの良いところなんだけど。
とりあえずヒーロー好きのたっちゃんのために騙されてあげました。
だから、あれは俺だよって言ってくれるのを待っているんだけどな。私は気付いてないことになっているから自分からは言えないじゃない。
これだけ好きだ好きだと言っているのに、もう何十回……いや百は越えているのかもしれない。
早くしてー!!恋する乙女は辛いのよー!
私の好きな人は山口達男。
小学六年生で『かえる』好き。周りが愛だ恋だと騒いでいてもお構いなしの『かえるオタク』である。休みになると山だ、川だと、網とバケツを持って出掛けている。
家が隣りで歳も一緒、おまけに両親共に気があって何だかんだで家族ぐるみのお付き合い。だから何をするのも、どこにいくのも一緒なの。おかげで私までかえるに詳しくなっちゃった。
たっちゃんのことは手のかかる弟、ずっとそう思っていた。
……だけどね、
私はある時恋をした。その相手は『かえるの王子さま』それは絵本でもゆるキャラでもない、紛れもない彼(たっちゃん)なのだ!
だけど、たっちゃんは私に正体を隠している。何のためにそうしているんだろ?めんどくさいな。だけど、好きだから仕方がない、そこは騙されてあげよう。だからね、私が気付いていることを悟られてはいけないの。
* * *
突然現れた黒のフルフェイスヘルメット。
たっちゃんのお父さんの物だってすぐにわかったよ。どんだけ一緒にいると思ってるの。
それにそのかえるのTシャツ、黄緑色のリアルなニホンアマガエル。たっちゃんママが作ったオリジナルTシャツだし、他でそれ着てる人はまずいないよ。
それから膝につけた深緑色の絆創膏は近所の種苗センター二十周年の記念品。今朝、私がたっちゃんに貼ったものじゃない。
「わー!モリアオガエルの色だ」
なんて喜んでいたのに。
これでバレないと思っていたのかな。ま、そんなポワポワしたとこもたっちゃんの良いところなんだけど。
とりあえずヒーロー好きのたっちゃんのために騙されてあげました。
だから、あれは俺だよって言ってくれるのを待っているんだけどな。私は気付いてないことになっているから自分からは言えないじゃない。
これだけ好きだ好きだと言っているのに、もう何十回……いや百は越えているのかもしれない。
早くしてー!!恋する乙女は辛いのよー!
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