恋する山田と無自覚タラシの高橋さん10

文字数 362文字

 閑話 アダナ②

 『インチョー』というアダナ、嫌いじゃない。むしろ好き。

 私の性格は小さい頃から切れやすくて負けず嫌い。おまけに空気も読めないし、人から引かれることがある。



「お前にアダナ付けてやる」

 クラスで目立つ男子が私に言った。正直嬉しかった。友人はいてもクラスが終わればそれっきり、アダナなんて付けてもらったことがなかったから。

「高橋、お前は今日から『女郎蜘蛛』だ! 『地獄の門番』でもいいぞ、どっちがいい」

 (゜ロ゜)

 そうか、アダナとは言葉遊び! いかにインパクトがあり嫌悪感を感じるかの言葉遊びだ。
 私の負けず嫌いが発動した。

「わかった。じゃ、あんたのことは『みじんこち○こ』って呼ぶね」

 あいつ学校に来なくなった。アダナで呼び合いたかったのに1度もすることなく転校した。



 『インチョー』
 うん、いい響きだ♡
 

 
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