十九章 【歴史学】星崎・今岡コラボパート

文字数 2,757文字

歴史学の講義。


冒険者といえども、勉強は必要である。

温故知新という言葉があるように、歴史から学び、それをいまに生かすというのはむしろ冒険者にこそ必要なことともいえた。

ゆえに、この講義もまた、召喚士見習い・剣士見習いなど専攻に関わらず合同で受ける授業となっている。

教室には、当然のことながら、いつもの面々の姿があった。


そして、彼らの前には、威風堂々たる剣を構えた──

2019/03/03 00:22

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!!!!
2019/03/03 00:32

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いや、威風堂々たる剣そのものが、教壇の位置にあった。
2019/03/03 00:35

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我が輩が諸君らに歴史学を教えるデヴァ=ボ=ウチョウでアール。

敬意をこめてデヴァ先生と呼ぶといいのでアール。


うん?

そこのツインテールの女の子、なにか質問でアールか?

2019/03/03 00:38
質問っていうか……えっ?

包丁……ですわよね?

2019/03/03 23:05
見ればわかるようなこと、いちいち聞くのもどうかと思うよ
2019/03/03 23:07
よく切れそうな包丁。

刃物だけに、頭もよくキレるってやつね!

2019/03/03 23:07
いや……いやいや!

どうしてそんなに平然として受け入れられますの?

え? わたくしがおかしいんですの?

2019/03/03 23:08
心を持つ魔剣の伝説は耳にしたことがある。

包丁は初めて見たが、こうして目の前にいるとなれば、受け入れるしかない現実であろう

2019/03/03 23:08

一部にとまどいがあるのも無理はないのでアール!


しっかーし、我輩は2000年前、

かの有名な戦士アルーゴスの手に握られていた

紛れもなき名剣なのでアール!

2019/03/03 23:17

え?

勇者が魔王を倒したよりもさらに昔、

この世を大魔王の魔の手から救ったという、あの?

じゃあ、大魔王を倒したときの名剣というのは!

2019/03/03 23:29

うむ。

あれは別の名剣でアール!

我輩は戦士アルーゴスの実家の台所

日々戦っていたのでアール!

2019/03/03 23:29
それってただの包丁じゃないの!
2019/03/03 23:30

戦士アルーゴスが実家に帰省していたときは

我輩をにぎっていたのでアール!

嘘は言ってないのでアール!

2019/03/03 23:30
結局、包丁ですのね。

はぁ……もういいですわ

2019/03/04 01:03
それで、どんな歴史を教えてくれるの?
2019/03/04 01:04
台所の歴史とか、料理の豆知識じゃないの?
2019/03/04 01:05
それでは料理学ですわよ……
2019/03/04 01:05
……ふむ?

教官殿の刃――もとい、身体になにやら赤い液体のようなものがこびりついている

2019/03/04 01:06

あ、すまないのでアール。

今朝、鶏をさばいたのでアール。

きちんと拭いたつもりでアールが、

拭ききれてなかったのでアール。

2019/03/04 22:56

やっぱり包丁なんじゃないの!

2019/03/04 22:57

包丁包丁とばかにするのじゃないのでアール!

我輩、なにも2000年ずっと台所にいたわけじゃないのでアール。

戦士アルーゴスの実家の台所の包丁として

重要文化財の指定を受けていたのでアール。

2019/03/04 22:57

それはすごいですね。

ちなみに重要文化財の指定を受けたら

どうなるんです?

2019/03/04 22:58

しばらく博物館に飾られる羽目になったのでアール。

もっとも、その博物館に居た時に、他の武具と交流したり

学芸員さんと話をしたりして、見聞を広めたのでアール。

2000年分の知識は伊達じゃないのでアール!

2019/03/04 22:58
古今東西のあらゆる武具を知っているわけか。ならば、その中には魔剣や聖剣の類もあるとみた。

鍛冶屋を志す身としては、興味が尽きないぞ!

2019/03/04 23:33
(凄いしっぽをふってる……獣人とは言え、猫ちゃんですのね)
2019/03/04 23:35
猫ちゃん、またたびだよ~
2019/03/04 23:36
にゃ~~~~ん
2019/03/04 23:36
うおおおおおおおおおおおおお!!

(興奮して筋肉が膨れ上がる)

2019/03/04 23:36

魔剣聖剣もむろんあったのでアール。

聖剣はお高くとまっているやつらが多かったのでアールが

魔剣扱いされているやつらの方が

わりと気さくだったのでアール。


しかし、この獣人、興奮して聞いていないのでアール……。

2019/03/05 00:30
あ~、こうなるとしばらく放置するしかないっすね。
2019/03/05 00:40

暴れたりしないの?


2019/03/05 00:40
たぶん大丈夫だと思うけど……。
2019/03/05 00:40

ふむ。

では、魔剣ネクロ●ンサーのクロちゃんから

教わったエナジードレインで

少々吸っておくのでアール。

なぁに、心配ないのでアール。

献血みたいなものなのでアール。

2019/03/05 00:40
……はっ!

オレは一体何を……

2019/03/05 01:37
その見た目で魔法だかスキルだか知らないけど、いろいろ使えるのね。

これは私にふさわしい武器かも?

2019/03/05 01:38
…………
2019/03/05 01:39
やっぱり、包丁はないわ
2019/03/05 01:40
とんでもなく上から目線で、失礼ですわよ!

包丁といはいえ先生を相手に!

包丁ですけど!!

2019/03/05 01:40

見込んでくれたのはうれしいのでアールが、

我輩の持ち主はただ一人、

その者以外の剣とはならないのでアール!

2019/03/06 00:57

いや、見込んでないと思うなー。

むしろ「ないわ」言われたからねー。

2019/03/06 01:01

でも、その持ち主ってのは

やはり戦士アルーゴスなんですか?

2019/03/06 01:01

いや、戦士アルーゴスのおかん、

主婦アケミなのでアール!

2019/03/06 01:02
どこまでいっても包丁ってことね!
2019/03/06 01:02
まさか、十二主婦神の一角とされている、あの伝説の主婦アケミか……!!
2019/03/06 02:16
なんですの、その凄そうでいまいちピンとこない通り名は……
2019/03/06 02:18
どんな食材も一太刀で断ち、作る料理はあらゆる病や怪我を治し魔力さえも回復させる。

バーゲンを前にしたときの速度は音に匹敵し、さらに15%オフにさせるという恐ろしいスキルまで持っているという

2019/03/06 02:19
すると、デヴァ教官は包丁界の英雄とされた、あの……。


全員頭を下げろ!

この御方を誰と心得ている!!

2019/03/06 02:21

いやいや、よいのでアール。

そこまでかしこまらなくとも、よいのでアール。


昔は昔、今は今。

今の我輩は一介の教師にすぎないのでアールからして、

一教師に接するように、それなりの敬意さえ払ってくれれば

それ以上はとやかく言わないのでアール。

2019/03/06 22:54

そいなりの敬意っちゅうんは、

どいほどのもんにごわすか?

2019/03/06 22:55

そうでアールな。

常にへりくだって、自分の名前の前には「卑しい」を付けるといいのでアール。

そして我輩への敬称には様か閣下を付けるといいのでアール。


なにか質問がある時は、

「卑しい卑しいナオミめに質問があります。

 失礼ながら、デヴァ閣下に一つお聞きしても

 よろしゅうございましょうか?」

とでも言ってくれれば、

それ以上の敬意は特に必要ないのでアール。

2019/03/06 22:55

なんで私が例題なのよ!


そして、それ以上

どう敬意払えってのよ!


ふざけたこと言うと


燃すわよ!

2019/03/06 22:56

じょ、冗談なのでアール。

ウィットに富んだソードジョークなのでアール!

なので、その魔力を込めた手を下ろすのでアール!

2019/03/06 22:57
……これが噂と現実の差というものか。

やはり、ただの包丁だったようだ

2019/03/06 23:46
あなた、手のひらクルックル返しますわね!
2019/03/06 23:48
ってゆーか、いつ授業はじまるんだろう
2019/03/06 23:49
いつから授業が行われると錯覚していたのか!
2019/03/06 23:50
この学園、よく潰れませんわね
2019/03/06 23:50

座学の授業など、こんなものなのでアール。

ハ●ポタでもまともな座学風景など、描写されていないのでアール。

なぜなら事件も起きない、通常の座学風景を描写しても

つまらないだけなのでアール!

2019/03/07 23:45
メタい、メタい!!
2019/03/07 23:45

ゆえに我輩の出番など、

今後もあるかどうかわからないのでアール……!

2019/03/07 23:45

あ、あるんじゃないかなぁ……。

あると思いますよ……、たぶん……。

2019/03/07 23:46

なんで自分のことを貶めたやつのフォローをしなきゃいけないんだろう。


そう思いながらも、デヴァ先生の寂しそうに丸まった背(?)を見ると、思わず慰めの言葉を掛けないではいられないナオミであった。

2019/03/07 23:46

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登場人物紹介

ナオミ=クロフォード(今岡パート)


召喚士見習いの1年生。

魔法の成績は、本人曰く「中の上」ということだが、実際のところは「中の中」。

よくもなく悪くもない、典型的な凡人である。

レオナルド=マイルズ(今岡パート)


剣士見習いの1年生。

魔法はからっきしだが、剣の腕はピカイチ。

脳筋っぽく思われがちだが、野卑というほどでもなく、周囲からの人望もそこそこある。

魔法以外弱点ないんじゃないか、こいつ?

ゴン(今岡パート)


ナオミの召喚獣。

ゴンという呼び名はナオミが呼ぶあだ名のようなもので、本人は気に入っていない。

ロイ=マッチョメン(今岡パート)


冒険者学園の学園長。

元冒険者で、むきむきマッチョな肉体は老いてなお健在。

キャラアイコンの下は、「ストⅡのザ●ギエフ」「鋼錬のアー●ストロング」「DBの全盛期・亀仙●」の肉体が付いていると想像すればいい。

学園長を名乗るぐらいなので、魔法にも長けていると思われるが……、その真偽は謎。

というのも、大抵は「魔法(物理)」でかたをつけるからである。

むろんその威力は計り知れない。

カレン=ティーハーフ(今岡パート)


風魔法の使い手で、冒険者学園の飛行訓練担当教師。

一応講師なのですべての魔法は一通り使えるが、とりわけ風魔法が得意。

むしろ風魔法だけなら、現役でもトップクラス。

ただ、極度の対人恐怖症なので、常にお面をかぶっている。


いや、人前に出るのが苦手なら、なんで講師になった?

あ、お面さえあれば、大丈夫だそうですよ。

セリナ=ティーハーフ(今岡パート)


魔法使い見習いの1年生。

名前からわかるとおり、カレン先生の妹である。

姉とは真反対で社交性が高く、周囲に打ち解けるのが早い。

血筋なのか、風魔法の上達速度はピカイチ。

しかし適正とは裏腹に、本人は火魔法をメインにしたいとのこと。

目標は「今のはメ●ゾーマではない、●ラだ」とドヤ顔で言うこと。

ゴリラ(今岡パート)


ウッホウッホ、ウホウホウッホ。

(冒険者学園の剣術講師)


ウホホウホホ、ウッホウッホウッホホ。

(アイコンのせいでオークに見えるが、現役のゴリラである)


ウッホウホホウ、ウッホウ?

(っていうか、現役のゴリラってなんだ?)

デヴァ=ボ=ウチョウ(今岡パート)


冒険者学園の歴史学講師・デヴァ先生。

インテリジェンスソードのため、話すことが可能。

ふだんは飛び回ることによって、移動している。

齢2000年という歴史の生き証人でもある。

むろん武器としての性能もまったく衰えていない。

いや、歴史学もいいけど、こいつが剣術講師でもよかったんじゃね?

ルーチェ=ローズブラウニー(星崎パート)


騎士の一家ローズブラウニー家の3女。騎士である姉と兄がいる。

しかしルーチェは救うべき民を蔑ろにし、貴族であり騎士である自分たちの誇りばかり優先する一族のやり方に反発し、人々を救うための冒険者を目指し、学校に入った。

貴族故に豊富な魔力を持つが、コントロールが苦手。家族からは落ちこぼれ扱いをされている。そんな環境も、彼女が冒険者を志した理由になっている。

幼い頃に剣を叩き込まれ、剣士としての素質を持つが、召喚士見習いである。


得意:剣術

苦手:魔法

好き:甘い物


「私は立派な冒険者になって、困っている人や差別されている人たちを助けるのですわ!」


ラティエ(星崎パート)


ルーチェの召喚獣。見た目は少女で、本人は優秀な精霊を名乗っているが、重度の怠け者。

ルーチェの豊富な魔力にひかれて、やってきた。マイペースで、基本的に言うことを聞かない。


得意:どこでも眠れる

苦手:起きていること

好き:寝ること


「え~、めんどぃ」「ラティエ、お腹空いたぁ」

ニャーシィ=ドルッチェ(星崎パート)


27歳、未婚、彼氏いない歴=年齢。

魔法薬学の先生。なぜか呪術と恋愛に関する魔法に詳しい。未婚なことから、成功率はよろしくないらしい?


「うふふふ。今日は意中の相手を奪う魔法薬を調合しましょうねぇ~~」

キル=ブラッディロード(星崎パート)


元魔王軍の幹部。魔王が倒されたことで、人間側に寝返った。彼が教鞭をとることに反対する者もいるが、人間とモンスターのハーフである点と、強力な魔法の使い手である彼から学べることも多いという点から、学園長が採用した。

魔法戦闘学の教師。


得意:もやし魔法

好き:もやし

趣味:もやし育成


「もやしの持つアスパラギン酸は疲労回復やスタミナをつける効果がある。強くなりたければもやしを食え!」

希望ミライ(星崎パート)


剣士見習い。なにかの手違いで異世界に飛ばされた剣道部。ここはゲームの世界で、自分が主人公の物語だと思っている。主人公にはライバルが必要という理由から、勝手にレオナルドをライバル視している。


得意:剣

好き:自分


「これはアバターってやつね。なんでも出来るのなら、今日から私は超美少女魔法剣士よ!」

ウィル=ラガマフィン(星崎パート)


白竜に乗った魔法オシャレ学の先生。

18歳にして教員となった。冒険者だって、可愛く・かっこよくなくてはならない。そんな考えから魔法オシャレ学を提案した。さまざまなコーデを作る魔法の授業である。

女性にモテる王子様系の女性。


得意:装飾魔法

苦手:辛いもの

好き:おしゃれ


「さあ、ボーイズ&ガールズ諸君。僕がエスコートしてあげよう」

ブラック(星崎パート)


猫型の獣人。鍛冶屋見習いの生徒。元々剣の心得があったが、盗賊に襲われ膝に矢を受けてしまったため、剣の道を諦めた。その際キルに助けられ、キルのための剣をつくるべく鍛冶屋見習いになった。


得意:鍛冶

苦手:熱いもの

好き:キル先生


「オレの命はキル様のためにある」

魔氷剣士マオ(星崎パート)


この世界には存在しないはずの「スマートフォン」という魔道具を持つ少女。どこか別の世界から来た、という噂もある。謎の冒険者。自称「2人の創造神の知り合い」。


得意:ボケとツッコミの二刀流

苦手:じっとすること

好き:楽しいこと


「別の世界でアタシを見た? 他人の空似だろ」

ベルフェゴール市長(星崎パート)


ニャーシィの父。学園のある町ではそこそこ偉い男。最近何者かからの脅迫を受けているらしい。しかし、この件に関して国の騎士や冒険者が首を突っ込むことを嫌い、私兵に対応をさせている。

キルのことを何故かよく知っているが……。


「娘の仕事ぶりを見学させてもらう」

神速のユリウス(星崎パート)


ベルフェゴール市長の抱えている私兵団の幹部・四光剣の1人。と名乗っているが、実は某国の騎士。四光剣はすべて某国の騎士で、ある計画のためベルフェゴールを監視している。


「どうやら君たちは、知りすぎてしまったようだねぇ」

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