二十一章 今岡単独パート
文字数 1,942文字
どうしたの?
溜め息なんか吐いて。
今日のあの授業、
ほんと疲れたわ……。
あれよ。
包丁の歴史学……。
歴史学なのに
歴史教えてくれなかったやつね。
ほいたあ、
歴史ば勉強したかった
いうこつごわすか?
そこじゃないわよ……。
なんかこう……、気疲れというか……。
授業終わりの鐘が聞こえてきたとき、
心底ほっとしたような顔してたしね。
わかってたんなら
あんたらもフォローしなさいよ!
すんもはん。
おいもなんか言(ゆ)うべきでごわしたな。
ううん、あんたはいいの。
その気持ちだけで十分だからね。
ナオミさァ……。
あんたがなんか言うと
絶対こじれるから。
!!!!
おいとて、
言(ゆ)うべきこつば
わきまえておりもすぞ!
細(こま)けこつ、
気ぃしもはんな!
出番ば無(の)うても、
出刃ばあるじゃなかか!
しかし、あのデヴァ先生、
授業のことはまだしも、
剣としてはかなりものっぽいよね。
そうなの?
だって、ブラックのことだって
一瞬で鎮めてただろ?
あんなことふつうできるか?
ブラックも私たちと同じ一年生だけど、
経験はそれなりに積んできてるわけだもんね。
そう考えると、2000年の年を経た剣ってのは伊達じゃないってことね。
デヴァ先生がとんでもない剣だったとしても、
レオは剣士としてあれ、持ちたい?
示現流ば一太刀のみに力ば込める剣法じゃっで、
剣ば長(なご)うて、重かもんのほうがよか。
ますますデヴァ先生には
聞かせられない内容よね……。
そういえばさ。
聞かせられないっていうので
ちょっと思ったことがあるんだけど。
あの先生ってどこで聞いて
どこで話してるのかな?
よくああいう剣って、
刃の根元のところがカチャカチャ鳴って
喋るっていうのが一般的じゃない?
でも、デヴァ先生の場合、
それっぽいところが見当たらないんだよな……。
おう。
「ハバキ」んこつ、ごわすな。
剣の刀身と鞘(さや)が離れんようにする部分のこつごわす。
こいばあるとなかとじゃ、大違いじゃっで。
剣の大事な部分にごわす!
レオも剣を扱(あつこ)う身なら、
もうちす勉強ばしなされ!
は、はぁ……。
ごめんなさい……。
デヴァ先生ば包丁じゃっで、鞘ばなか。
じゃっでハバキもいりもはん。
ただ、そいだけのこつにごわしょうな。
うん?
どげんしもした?
!!!!
ひどか言い分じゃなかか!
おいだって、まともんこつば言いもすぞ!
ちなみにデヴァ先生のことだけど、
テレパシーでってことはないのかな?
(ファ●チキください)
こいつ直接脳内に……!
こういう感じかな?
うん、ファミ●キがなんなのか
よくわかんないけど、
それはないと思うわ。
っていうか、思いたい。
だってクラス全員の脳内に直接って
なんかイヤじゃない?
あいは、ああいうもんじゃち、
思うようしたほうがよか!
どげしもした?
なんかいろいろ考えてたら
また頭痛くなってきたわ……。
そうね。
そうさせてもらうわ。
あ、でもついて来たら
承知しないからね!
……まぁ、いいわ。
さすがにあんたらも
そろそろ懲りたと思うし
信じてあげるわよ。
うん。
おやすみ。
しれっとサリナの方に
ついて行こうとするな!
私は徹夜でウノとかするの
別にいいんだけどね~。