二十三章 【男湯】星崎・今岡コラボパート
文字数 1,703文字
一方、その頃キルの創った温泉テーマパークにやってきた男湯一同。その中に、キルの様々な魔法による覗き対策に歯噛みする者が居た。
それは誰あろう──
ほら、スーさん!
そんな仏頂面してないで、
お湯につかりなって。
けっこう気持ちいいよ。
隣からキャッキャウフフん黄色い声ば聞こえてきもすのに
ここでん指咥えたままいうんが口惜しゅうて……
おいも掴みたかち!
残念だが、俺の目の黒いうちは覗きなどさせん!
そうだな……。
面白いことを思いついた!!
俺の魔法を突破することができたら、覗き行為に関しては黙認してやろう!!
ただし、壁や床を破壊することだけは許さん!
特別講義だ!! 一切の破壊行為をせずに、女湯を覗いてみるがいい!!
まさか、オレも含まれているのか……
スケベ共……?
まさか、オレも含まれてるんすかね?
おまんさァは確実に入っておりもすよ!
おいが断言ばしてやるとじゃ!
じゃっどん、壊(くや)すばいかんと!
こいは難問じゃっど!
たしかにオレも剣はそこそこいけるほうだと思うけど
魔法だけは素養ゼロだからなぁ……。
なにか方法はないものか……。
キル様、講義というからには、少しヒントを与えてみてはいかがでしょうか?
おっと、手が滑って透視を防止する魔法の解除魔法について書かれた魔導書が、触手の湯に落ちた!
ん?
あれ、レオさァの知り合いじゃおはんか?
あ、ほんとだ。
おーい、そこの触手、ちょっと本とって!
でも、魔道書なんて読めなかった。
惑うしよ、まーどうしよ!
ごめん、ブラック……読んで。
オレも魔法は得意ではないと!!
貴様、それでも鍛冶屋見習いか!
限界など突破せんかあああああああああ!!
オレは限界を超える!!
うおおおおおおおおおおおおお!!
魔力の流れを感じ取り、壁を傷つけずに斬ってみせろ!!
その後はそっちの召喚獣が、透視魔法でもすればいい!!
はてさて、こいで壁ば壊(くや)したばキルさァになったとじゃ。
わいらは一切の破壊行為ばせんとじゃっで、問題ばなかろ?
ルールの穴をついた点は評価してやろう。
せいぜいあっちで楽しむがいい。命の保証はないがな!
それより貴様ら、俺が覗く許可を出したことは黙っておけよ。もちろんタダでとは言わん
湯に浸かりながら食うがいい!!
(もやしの山が乗ったラーメンを出す)
ほう、旨そげなラーメンにごわすな!
一杯もらいたかところじゃっどん、
もういけもはん……(ガクッ)
聞いたわよ!!!
あんたらねぇ!!
ナオミはびびるレオたちを締め上げ洗いざらい白状させた挙句、
男連中をみな簀巻きにして、風呂場に放置したのだった。
力を使い果たし倒れていたゴンももちろん
その中に含まれていたことは、言うをまたない。