四章 【魔法戦闘学】星崎・今岡コラボパート

文字数 2,904文字

魔法戦闘学。

それは、冒険者に必要な戦闘用の魔法スキルを習う授業。魔法に特化していないジョブを志す者にも、最低限覚えておくべき魔法を伝授する──という目的から、召喚士見習い・剣士見習いなど専攻に関わらず合同で行う授業となっている。


教室には、ナオミ、ルーチェ、レオナルドの姿もあった。

2019/02/01 23:24

hosiazuazu

前の先生が寿退職して、今日から新しい先生が来るらしいですわね……。

どんな人かしら?

2019/02/01 23:26

待たせたな!

このオレが今日から貴様らもやしっ子共に魔法戦闘学を教える、元魔王軍の幹部キル=ブラッディロードだ!

とりあえず全員教科書を捨てろ。オレの授業ではもやしを使う!!

2019/02/01 23:30
もやしか……
2019/02/02 00:18
ほう、レオはなかなかに自信があるようでごわすな。
2019/02/02 00:18
え?
2019/02/02 00:19
いま「もやしか」言ったじゃごわはんか。

うちん言葉で「もやしか」「たやすいこと」いう意味でごわすよ。


2019/02/02 00:19
あんたたち、真面目に授業受ける気がないなら、出ていきなさいね。

……もっとも、もやし自体が真面目かどうか、わかりかねるところではあるけどね。

2019/02/02 00:22

女、いいことを言った。

褒めてやるぞ。貴様、名はなんという?

2019/02/02 11:13
キルはナオミを指差すも、
2019/02/02 11:14

hosiazuazu

おっと、名乗らなくていい。わかっているからな。

さて、女。貴様に質問だ。


もやしの持つ栄養素を3つ答えろ!

2019/02/02 11:14
結局ナオミの名を口にしないまま、質問する。
2019/02/02 11:17

hosiazuazu

も、もやし……!?

もやしに栄養なんてあるの?

2019/02/02 23:42

いや、あると思うよ。

オレたちの生みの親は、

学生時代にお金なくて卵ともやしだけで生き延びた時期があるらしいしね。

2019/02/02 23:42
メタいこと言わないの!
2019/02/02 23:43

じゃっどん、もやしの定義がわからんとなんとも言えんのじゃなかか?

ふつう「もやし」は「豆もやし」のこつを指すとじゃろうが、

そもそも「もやし」は「種が芽吹いたもん」を指す言葉でごわしょう。

小豆もブロッコリーも、芽吹いたもんはみな「もやし」になるっとが、

そこがわからんとなんとも言えんのではごわはんか?


「もやし」は、言うほど「容易(もや)しいもん」じゃ、なかど。


2019/02/02 23:44

あんた、それが言いたかっただけでしょ……。


2019/02/02 23:45

ええいゴチャゴチャと!

もやしといえば白くて美しいアレに決まっているだろう!


ご存知の通りもやしにはカルシウム、カリウム、葉酸、ビタミンB1、ビタミンC、食物繊維、アスパラギン酸、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニールアラニンなどが含まれており、もやしの持つアスパラギン酸は疲労回復やスタミナをつける効果がある。近年では魔力の回復を早めるという効果も唱えられており、強くなりたければ厳しい鍛錬の後にもやしを摂取しろ!  という声もあるくらいだ。誰が言ったかって?  俺だ。

そんなもやしの持つ栄養素を効率よく摂取する調理法としては(以下略)

2019/02/03 00:44
ZZZ……
2019/02/03 00:45

さて。これからもやしっ子の貴様らに、俺特製の魔道具「もやし栽培キットちゃんEX」を配る。こいつでもやしを育て、食べ、心身ともに強くなるといい。

そこで次の問題だ。


もやしの育成において最も大切なことはなにか。


そこの剣士見習いの少年、答えてみろ。正解したら、俺特性「もやしドロップ」をやろう。

なんとこのドロップは全部で7つの味がある。

もやし、もやし、もやし、もやし、もやし、もやし、もやしだアアアアッ!!


2019/02/03 00:45
全部もやしですわね
2019/02/03 00:48

馬鹿者オオオオオッ!!


すべて、材料のもやしを作った農家さんが違うのだァッ!!

ちなみに当たりは、推し農家さんであるヘル=ジェノサイドさんのもやし「ツインヘッド・デスブラックマッペ」味だアアアッ!!

2019/02/03 00:48

もやしの育成?

育てたことないからわかんないんすけど、ですかね?

2019/02/03 00:54
無難なところいったわね。
2019/02/03 00:59

いや、正解かどうかはわかんないんだけどさ。

一応真面目に答えた方がいいのかなって思ってさ。

2019/02/03 00:59

正解したら、もやし飴の餌食になるっとが、

おまんさァ、それでもよかとか?

2019/02/03 00:59
し、しまったぁ!!
2019/02/03 01:00
しまったとはなんだ! 失礼なやつめ!
2019/02/03 01:03
そして、「水」だと?

確かにもやしの育成には、「水」「暗室」「洗浄」「脱水」が必要となる。とても重要な要素であることにはかわりないが――不正解だ!!

2019/02/03 01:04
もやしの育成において”最も”大切なこと――それは「愛」だ!!

何事も愛情をもって行なうことが重要なのだ!!

もやしの育成により愛を学び心を成長させ、もやしを食べることで身体を鍛える――これが真の鍛錬だ!!

2019/02/03 01:08
ちなみに俺の「もやし栽培キットちゃんEX」は優秀で、水と魔力を与えるだけで種からもやしを生成する。注いだ魔力量に比例し、もやしの質と数が決まるのだ!


こんなふうにな!

2019/02/03 01:11
キルは手のひらサイズの四角い箱に、種と水を入れる。それから魔力を注入すると、箱から大量のもやしが吐き出された。


白いもやしは洪水を起こし、教室はもやしで埋め尽くされた。

2019/02/03 01:13

hosiazuazu

これこれ、これはいったいなんの騒ぎかの?
2019/02/03 01:40

あ!

学園長!


……いつもながらいいマッスルをされていますね。

2019/02/03 01:41

いいマッスルってなによ?

2019/02/03 01:41

いや、オレもよくわかんないんだけどさ。

昔、先輩に教わったんだよ。

そう言っておけば、学園長は機嫌がよくなるらしいんで、

なにかあったらまずそう言っておけって。

2019/02/03 01:42

うむ。

君ももっと鍛えれば、儂のようないいマッチョバディを手に入れられることじゃろうて。(ムキッ!)


ところで、なにがあったのか、教えてくれんかの?

2019/02/03 01:42
(また面倒な人が来ましたわね。この学園は変人ばかり……)
2019/02/03 15:26
新しく来た先生が、もやし魔法とかいうバカみたいな魔法で、もやしを撒き散らしたのですわ
2019/02/03 15:26

バカみたいとはなんだ!

その気になれば相手をもやしで圧死させることもできるんだぞ!

2019/02/03 15:27
それだけの魔力があるなら、普通に攻撃した方が強いのでは?
2019/02/03 15:27

フン、美学のわからん女だ!


学園長!  これは教育の一環だ、なんの問題もない!

なんならこの後、生徒たちと一緒にもやしパーティーで親睦を深めるという手もある!

2019/02/03 15:28

もやしパーティーを止める気はないんじゃが、

もやしだらけなのは、ちょっとのう……。


2019/02/03 22:12
(止める気はないんだ……)
2019/02/03 22:12

ほいなあ、学園長さァが好きじゃ言うちょる、

プロテインだらけやったら、どげんな?

2019/02/03 22:13

それは……、ありじゃな。


コ、コホンっ……。

まぁ、それはよいとして。

おぬしのその魔力、わしは買っておるので、

細かいことはとやかく言うつもりはないが、

片付けだけはちゃんとやっておくようにの……。

2019/02/03 22:13

言って、学園長は去っていった。

教室はもやしのやま、ヤマ、山。

残された生徒たちは呆然と立ち尽くすのみだった。

2019/02/03 22:14

eijivocal23

プロテインか。それならば、もやし鍋にして溶かすのがいいか。

いや、それとも(ブツブツ)

2019/02/03 23:49
まずこの惨状をなんとかしてほしいのですけど
2019/02/03 23:50
……そうだな。


では今から革袋と栽培キットを配る。袋一杯にもやしを詰めたら、外へ移動! そこでプロテインもやし鍋パーティーを行なう! 栽培キットの方では、次の授業までにもやしを育てておくこと!

以上!!

2019/02/03 23:51
ええぇ……。


生徒に後片付けを押し付けて、出ていきましたわ!?

2019/02/03 23:54
こうして、この日の授業はもやしを袋に詰めて、クソまずい鍋をするだけで終わるのだった。



「クソまずい鍋だと!? もやしを馬鹿にするやつは地の文であっても許さんぞ!!」



ええっ!?

あのもやしオタ、地の文に語りかけてきた!?



「死ねえええええええ!!!!」


うわあああああああああああ……。


(地の文消滅により、今回はここまで!)

2019/02/03 23:55

hosiazuazu

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登場人物紹介

ナオミ=クロフォード(今岡パート)


召喚士見習いの1年生。

魔法の成績は、本人曰く「中の上」ということだが、実際のところは「中の中」。

よくもなく悪くもない、典型的な凡人である。

レオナルド=マイルズ(今岡パート)


剣士見習いの1年生。

魔法はからっきしだが、剣の腕はピカイチ。

脳筋っぽく思われがちだが、野卑というほどでもなく、周囲からの人望もそこそこある。

魔法以外弱点ないんじゃないか、こいつ?

ゴン(今岡パート)


ナオミの召喚獣。

ゴンという呼び名はナオミが呼ぶあだ名のようなもので、本人は気に入っていない。

ロイ=マッチョメン(今岡パート)


冒険者学園の学園長。

元冒険者で、むきむきマッチョな肉体は老いてなお健在。

キャラアイコンの下は、「ストⅡのザ●ギエフ」「鋼錬のアー●ストロング」「DBの全盛期・亀仙●」の肉体が付いていると想像すればいい。

学園長を名乗るぐらいなので、魔法にも長けていると思われるが……、その真偽は謎。

というのも、大抵は「魔法(物理)」でかたをつけるからである。

むろんその威力は計り知れない。

カレン=ティーハーフ(今岡パート)


風魔法の使い手で、冒険者学園の飛行訓練担当教師。

一応講師なのですべての魔法は一通り使えるが、とりわけ風魔法が得意。

むしろ風魔法だけなら、現役でもトップクラス。

ただ、極度の対人恐怖症なので、常にお面をかぶっている。


いや、人前に出るのが苦手なら、なんで講師になった?

あ、お面さえあれば、大丈夫だそうですよ。

セリナ=ティーハーフ(今岡パート)


魔法使い見習いの1年生。

名前からわかるとおり、カレン先生の妹である。

姉とは真反対で社交性が高く、周囲に打ち解けるのが早い。

血筋なのか、風魔法の上達速度はピカイチ。

しかし適正とは裏腹に、本人は火魔法をメインにしたいとのこと。

目標は「今のはメ●ゾーマではない、●ラだ」とドヤ顔で言うこと。

ゴリラ(今岡パート)


ウッホウッホ、ウホウホウッホ。

(冒険者学園の剣術講師)


ウホホウホホ、ウッホウッホウッホホ。

(アイコンのせいでオークに見えるが、現役のゴリラである)


ウッホウホホウ、ウッホウ?

(っていうか、現役のゴリラってなんだ?)

デヴァ=ボ=ウチョウ(今岡パート)


冒険者学園の歴史学講師・デヴァ先生。

インテリジェンスソードのため、話すことが可能。

ふだんは飛び回ることによって、移動している。

齢2000年という歴史の生き証人でもある。

むろん武器としての性能もまったく衰えていない。

いや、歴史学もいいけど、こいつが剣術講師でもよかったんじゃね?

ルーチェ=ローズブラウニー(星崎パート)


騎士の一家ローズブラウニー家の3女。騎士である姉と兄がいる。

しかしルーチェは救うべき民を蔑ろにし、貴族であり騎士である自分たちの誇りばかり優先する一族のやり方に反発し、人々を救うための冒険者を目指し、学校に入った。

貴族故に豊富な魔力を持つが、コントロールが苦手。家族からは落ちこぼれ扱いをされている。そんな環境も、彼女が冒険者を志した理由になっている。

幼い頃に剣を叩き込まれ、剣士としての素質を持つが、召喚士見習いである。


得意:剣術

苦手:魔法

好き:甘い物


「私は立派な冒険者になって、困っている人や差別されている人たちを助けるのですわ!」


ラティエ(星崎パート)


ルーチェの召喚獣。見た目は少女で、本人は優秀な精霊を名乗っているが、重度の怠け者。

ルーチェの豊富な魔力にひかれて、やってきた。マイペースで、基本的に言うことを聞かない。


得意:どこでも眠れる

苦手:起きていること

好き:寝ること


「え~、めんどぃ」「ラティエ、お腹空いたぁ」

ニャーシィ=ドルッチェ(星崎パート)


27歳、未婚、彼氏いない歴=年齢。

魔法薬学の先生。なぜか呪術と恋愛に関する魔法に詳しい。未婚なことから、成功率はよろしくないらしい?


「うふふふ。今日は意中の相手を奪う魔法薬を調合しましょうねぇ~~」

キル=ブラッディロード(星崎パート)


元魔王軍の幹部。魔王が倒されたことで、人間側に寝返った。彼が教鞭をとることに反対する者もいるが、人間とモンスターのハーフである点と、強力な魔法の使い手である彼から学べることも多いという点から、学園長が採用した。

魔法戦闘学の教師。


得意:もやし魔法

好き:もやし

趣味:もやし育成


「もやしの持つアスパラギン酸は疲労回復やスタミナをつける効果がある。強くなりたければもやしを食え!」

希望ミライ(星崎パート)


剣士見習い。なにかの手違いで異世界に飛ばされた剣道部。ここはゲームの世界で、自分が主人公の物語だと思っている。主人公にはライバルが必要という理由から、勝手にレオナルドをライバル視している。


得意:剣

好き:自分


「これはアバターってやつね。なんでも出来るのなら、今日から私は超美少女魔法剣士よ!」

ウィル=ラガマフィン(星崎パート)


白竜に乗った魔法オシャレ学の先生。

18歳にして教員となった。冒険者だって、可愛く・かっこよくなくてはならない。そんな考えから魔法オシャレ学を提案した。さまざまなコーデを作る魔法の授業である。

女性にモテる王子様系の女性。


得意:装飾魔法

苦手:辛いもの

好き:おしゃれ


「さあ、ボーイズ&ガールズ諸君。僕がエスコートしてあげよう」

ブラック(星崎パート)


猫型の獣人。鍛冶屋見習いの生徒。元々剣の心得があったが、盗賊に襲われ膝に矢を受けてしまったため、剣の道を諦めた。その際キルに助けられ、キルのための剣をつくるべく鍛冶屋見習いになった。


得意:鍛冶

苦手:熱いもの

好き:キル先生


「オレの命はキル様のためにある」

魔氷剣士マオ(星崎パート)


この世界には存在しないはずの「スマートフォン」という魔道具を持つ少女。どこか別の世界から来た、という噂もある。謎の冒険者。自称「2人の創造神の知り合い」。


得意:ボケとツッコミの二刀流

苦手:じっとすること

好き:楽しいこと


「別の世界でアタシを見た? 他人の空似だろ」

ベルフェゴール市長(星崎パート)


ニャーシィの父。学園のある町ではそこそこ偉い男。最近何者かからの脅迫を受けているらしい。しかし、この件に関して国の騎士や冒険者が首を突っ込むことを嫌い、私兵に対応をさせている。

キルのことを何故かよく知っているが……。


「娘の仕事ぶりを見学させてもらう」

神速のユリウス(星崎パート)


ベルフェゴール市長の抱えている私兵団の幹部・四光剣の1人。と名乗っているが、実は某国の騎士。四光剣はすべて某国の騎士で、ある計画のためベルフェゴールを監視している。


「どうやら君たちは、知りすぎてしまったようだねぇ」

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