六章 今岡単独パート
文字数 1,932文字
地の文が消滅しちょったもんで、代わりにナレーションば務めちょりもした。
ひとまずの代理にごわすよ(笑)
え?
もやしに特化するの?
それはない!
絶対ないからね!
私は特化の話をしたんであって、
もやし特化の話をしたわけじゃないの!
ああ、そういうことか。
でも、どうして急に?
でもって、他の魔法も一応使えるには使えるけど、
いうほど得意ってわけじゃないし……。
まだオレたちは一年生なんだし、
そんなに気にする必要はないと思うけどな。
あんたはいいわよ!
一年のくせに剣の腕もけっこう立つし、
コミュ力だってはんぱないじゃない!
だいたいなんで学園長のツボまで心得てんのよ!
ふつう、ほいほいと先輩たちと
コミュニケーション取れるってもんでもないでしょ!
お世辞じゃないよ。
だって、スーさんっていう立派な召喚獣を召喚したじゃないか。
(←こいつ)
火を吐くわけでもなし、空を飛ぶわけでもなし……。
なんの取り得があるのか……。
ああ、スーさんの剣術……、
なんて言ったかな……。
そうそう。その示現流っていうやつ。
あれ、すごいんだぜ!
でかい岩なんかも一刀両断!
ありゃ、でかいドラゴンの首も断ち切る腕前だね。
オレなんかよりも、ずっと腕前は上だよ。
……ちょっと待って。
なんで私が知らないようなこと、あんたが知ってるの?
うん?
たまに朝稽古に付き合ってもらってるからね。
衝撃よ!
だいたいなんであんたら、そんなことやってんのよ!
なんか私が真面目じゃないみたいじゃない……。
私、わりとこの作品では真面目系のキャラだと思ってたのに……。
落ち込むわよ!
……それに、なんであんた今日に限って大人しいのよ!
うん?
おいのこつか?
そうよ!
さっきちょこっと話したかと思ったら、あとはずっと黙ってるじゃない!
いや、今日は地の文さァの代わりを務めにゃならんもんで、
少(ち)す黙っちょった方がよかかと思(おめ)もしてな。
ほんと、あんた変なところで律儀よね……。
じゃあ、また地の文の代わりに、あんたが締めのナレーションでもするわけ?
おう。
地の文さァの調子が治(なお)っまで、
おいがしっかり務めもんど。
たぶんもう少しのことだってさ。
まぁ、いいわ。
でも、なんでもう少しのことってわかるの?
メタいこと言わないでよね……。
!!
あんたもすんなり受け入れないでよね!
だいたいなんで地の文が、
こいつと同じ言葉を話してんのよ!
ナオミさァも、そう怒(おこ)いなさっな。
せっかっ地の文さァが戻ってきちょったどん。
なに言ってるかわかんないし、
ここは地の文も含めて変なのばっかり!
もう、イヤ!!
しかし、これもまた彼ら(?)の日常。
ありふれた光景の一つにすぎないのだった。