二十五章 今岡単独パート
文字数 1,962文字
呼ばれなきゃいけないのよ!!
かっこよくない!
たぶんそういうところが、
「学園の怒髪鬼」って言われる元だと思うんだけどな~。
うん、隠し事はなしだからね~。
じゃないと、ナオミがひどいことになるからね~。
あ、覚悟決まったっぽいね~。
誰の批評からスタートかな~。
!!!!
お、いいところからいくね~。
お姉ちゃん、どうだった?
近う見た感じば、なかなかん迫力にごわしたな。
女子(おごじょ)ん魅力で申(も)したら、
一番(いっばん)じゃなかとか!
おっ、前回より評価上がったんじゃない?
やっぱ女性らしい仕草が多かったのが決めてなのかな~?
そいもありもすが、
前より胸ばまた育ったとじゃなかろか?
あいはまだまだ成長期にごわすかのう?
ナオミさァ?
セリナさァ??
あ、ちょっと呆然としてたかも~。
まぁ、薬でイッちゃってたとはいえ、
あのウィル先生が迫ってただけはあるよね~。
じゃあ、そのウィル先生は~。
次はレオね~。
逃がさないからね~。
あ、ナオミが睨んでる~。
そ、そうだねぇ。
ウィル先生も悪くはなかったと思うよ。
オシャレ学の権威はまだまだ健在ってところかな。
脱いだ感じは~?
スタイルのバランスで言えば、
一番整ってるんじゃないかな?
モデル体型っていうの?
ああいうのに一番近いよね。
その枕詞がつかなきゃいけないぶん、
さっきの2名よりは劣るんだろうね。
スタイルでは十分負けてないけどさ。
いや、むろん美人の範囲ではあると思うんだけどね。
そうでごわすな。
真白(ましと)か肌ち、十分魅力んごわすな!
ラティエさァは幼かじゃっで、
食指ば動きもはんな!
なんも聞いちょりもはんど……(震え声)
うそつきはお仕置きしなきゃね~。
ナオミ、やっていいよ。
どうも威圧を込めはじめた先刻から、その両手に魔力を込め始めていたようだ。
そのぐらいなめらかで、無理のない、それでいて膨大な力が込められた魔法が、一人と一匹に向けて、放出されたのだった。
それは見事という以上、もはや芸術的ともいえるような、洗練された一連の流れだった。
私もちょっとスッキリしたかな~。
ありがと、ナオミ~!
かくして消し炭となった一人と一匹を残して、「学園の怒髪鬼」と「学園の微笑悪魔」は各々の部屋へと戻っていった。
騒がしいことだが、やはりこれも彼らの日常。
ありふれた光景の一つにすぎないのだった。