第24話 ロボコンワールド大会の作戦会議とキャサリンの受難
文字数 2,111文字
地区大会の翌日の放課後、N高校ロボット研究サークルのメンバーは全員、屋上の部室に集まった。顧問のキャサリン、リコ、サヤカ、バラク、ジョージ、ミクである。キャサリンが口火を切った。
「みんな。ワールド大会、絶対優勝よ! 優勝したら両親がダーリンとの結婚を認めてくれるのよ。ダーリン、ロボの改良には、全面的に協力してくれるわ」
「キャサリン先生、ありがとうございます。ですが、ロボ改良については、われわれのメカニックチームにまかせます」
バラクとオンライン会議の画面に映るアサミが力強くうなづいた。彼らの本音は、ドス恋バラクを、あんな変態ロボを作ったエンジニアに指の1本たりとも触れて欲しくなかったのだ。
「キャサリン先生と、トニー先生には、その他の出場校の調査をお願いします」
「ちょっと残念ね。もう調査済よ。一番のライバルは、極東代表の花形モータースの御曹司が率いるチームだわ」
「ちょっといいですか。そもそも、アメリカ国内の大会を、ワールド大会と銘打って、日本代表を極東代表として、アメリカ国内の一部のような言われ方をされるのが気に食わないんですけど」とリモート出席のシンジ。
「そうね。本当は、われわれが日の丸を背負ってNo1になって、世界選手権の開催を主張しないとダメね。兎に角、あの、きたないやり口の、花形のチームのロボを徹底的にやっつけないといけないわ」とリコ。
その時、部室の後ろの方で、バラクとジョージがいきなりつかみ合いの喧嘩を始めた。リコが目くばせすると、ミクが2人の仲裁に入った。
「この野郎、ぬけぬけとサヤカは俺の女だというから!」 とバラク。
「何言ってんだ。人の彼女とデートの約束をするやつがいるか?」 とジョージ。
「サヤカ! どういうこと?」 大事なミーティング中の内紛に、あきれるリコ。
「2人とも、私の為に争わないで! (このセリフ、1度でいいから言ってみたかったんだ。うっしっし)私は、バラクもジョージも大好きなの。今、どちらかに決めるなんて無理よ…………。そうだわ。今度の大会でより活躍したほうと、デートしてあげる」
「オーケー」
バラクとジョージは、固い握手をかわした。
(サヤカのヤツ、やりたい放題ね。でもまあ、今度の大会までは、このままにしておこう。大会の後に、彼ら2人にアサミのキラースマイルを見てもらおう。サヤカの3日天下ね。うふふ)
◇◇◇◇
ミーティングが終わった後、リコとサヤカがホームステイしている、博士の邸宅では、ささやかな食事会が開催された。
出席者は、博士の助手、リコ、サヤカ、バラク、ジョージ、ミクである。キャサリンは、どうしてもキャンセルできない用事があるとのことで欠席、その替わりではないが、博士の要望でドス恋バラクも連れてこられた。食事後は、ロボコンの動画を観て、特に決勝でのまわしがくるくる外れるシーンは、何度も繰り返し再生して、歓声をあげた。その後の、キャサリン先生がプロポーズを受けるシーンも、ばっちり録画されていた。
(キャサリン先生、こんな変態と大丈夫かしら。今日は、先方のご両親に挨拶に行ったらしいけど…………)
実は、リコはキャサリンの事が気がかりなのである。
「バラク君、ジョージ君、今日は泊まっていきなさい」
博士のすすめにより、2人とドス恋バラクは、巨大なベッドに川の字で寝ることになった。
皆が眠りについてから、しばらくした頃、邸宅のドアを激しくたたく音がした。
「キャサリンよ! 開けて! 助けて!」
「みんな、起きろ!」と博士
「先生、どうしたんですか?」とリコ
「どうもこうもないワ。トニーが、あれほどの変態だったとは思わなかった」
キャサリンの説明によると、トニー家のご両親にご挨拶に行き、一緒に食事をして和やかな雰囲気で安心したのか、シャンパンとワインに酔って不覚にも眠ってしまったキャサリンが目を覚ますと、そこはトニー家の地下の変態部屋であった。何故か、SMの女王のスタイルになって、ムチを振り回す、トニーが宣言する。
「今日は、僕とキミと、そしてスペシャルゲストとの3Pだ!」
なんとそのスペシャルゲストは、アンドレ・ザ・ジャイアン山である。
「きゃー ヘンタイ!!!!」
キャサリンは、夢中でトニーの股間を蹴り上げ、着のみ着のまま逃げてきたのだ。
「あいつら、必ず追ってくるわ」
「先生。隠れましょう。あの部屋へ」
サヤカが示したのは、立ち入り禁止の博士が眠っている部屋である。
「そこは、あけちゃダメ!」 リコの言葉は、一瞬遅れた。
部屋を開けると、1人の青年が穏やかな表情でデスクに座っていた。
「マコト! ここにいたの!」 とキャサリン
「もしかして、マコト君?」 とリコ
「挨拶は抜きにしましょう。バラク君にジョージ君。こちらの、迎撃態勢は大丈夫ですか?」
「ドス恋バラク。スタンバイオーケー」
バラクとジョージが声を合わせる。
「どっかーーーーーーんんんん」
そのとき、博士の邸宅のドアがぶち破られて、アンドレ・ザ・ジャイアント山が入ってきた。
「我が麗しの花嫁よ! 出てきなさい!」
ヘンタイコスチュームのトニーがよくとおるテノールの声で、歌うように言った。
「みんな。ワールド大会、絶対優勝よ! 優勝したら両親がダーリンとの結婚を認めてくれるのよ。ダーリン、ロボの改良には、全面的に協力してくれるわ」
「キャサリン先生、ありがとうございます。ですが、ロボ改良については、われわれのメカニックチームにまかせます」
バラクとオンライン会議の画面に映るアサミが力強くうなづいた。彼らの本音は、ドス恋バラクを、あんな変態ロボを作ったエンジニアに指の1本たりとも触れて欲しくなかったのだ。
「キャサリン先生と、トニー先生には、その他の出場校の調査をお願いします」
「ちょっと残念ね。もう調査済よ。一番のライバルは、極東代表の花形モータースの御曹司が率いるチームだわ」
「ちょっといいですか。そもそも、アメリカ国内の大会を、ワールド大会と銘打って、日本代表を極東代表として、アメリカ国内の一部のような言われ方をされるのが気に食わないんですけど」とリモート出席のシンジ。
「そうね。本当は、われわれが日の丸を背負ってNo1になって、世界選手権の開催を主張しないとダメね。兎に角、あの、きたないやり口の、花形のチームのロボを徹底的にやっつけないといけないわ」とリコ。
その時、部室の後ろの方で、バラクとジョージがいきなりつかみ合いの喧嘩を始めた。リコが目くばせすると、ミクが2人の仲裁に入った。
「この野郎、ぬけぬけとサヤカは俺の女だというから!」 とバラク。
「何言ってんだ。人の彼女とデートの約束をするやつがいるか?」 とジョージ。
「サヤカ! どういうこと?」 大事なミーティング中の内紛に、あきれるリコ。
「2人とも、私の為に争わないで! (このセリフ、1度でいいから言ってみたかったんだ。うっしっし)私は、バラクもジョージも大好きなの。今、どちらかに決めるなんて無理よ…………。そうだわ。今度の大会でより活躍したほうと、デートしてあげる」
「オーケー」
バラクとジョージは、固い握手をかわした。
(サヤカのヤツ、やりたい放題ね。でもまあ、今度の大会までは、このままにしておこう。大会の後に、彼ら2人にアサミのキラースマイルを見てもらおう。サヤカの3日天下ね。うふふ)
◇◇◇◇
ミーティングが終わった後、リコとサヤカがホームステイしている、博士の邸宅では、ささやかな食事会が開催された。
出席者は、博士の助手、リコ、サヤカ、バラク、ジョージ、ミクである。キャサリンは、どうしてもキャンセルできない用事があるとのことで欠席、その替わりではないが、博士の要望でドス恋バラクも連れてこられた。食事後は、ロボコンの動画を観て、特に決勝でのまわしがくるくる外れるシーンは、何度も繰り返し再生して、歓声をあげた。その後の、キャサリン先生がプロポーズを受けるシーンも、ばっちり録画されていた。
(キャサリン先生、こんな変態と大丈夫かしら。今日は、先方のご両親に挨拶に行ったらしいけど…………)
実は、リコはキャサリンの事が気がかりなのである。
「バラク君、ジョージ君、今日は泊まっていきなさい」
博士のすすめにより、2人とドス恋バラクは、巨大なベッドに川の字で寝ることになった。
皆が眠りについてから、しばらくした頃、邸宅のドアを激しくたたく音がした。
「キャサリンよ! 開けて! 助けて!」
「みんな、起きろ!」と博士
「先生、どうしたんですか?」とリコ
「どうもこうもないワ。トニーが、あれほどの変態だったとは思わなかった」
キャサリンの説明によると、トニー家のご両親にご挨拶に行き、一緒に食事をして和やかな雰囲気で安心したのか、シャンパンとワインに酔って不覚にも眠ってしまったキャサリンが目を覚ますと、そこはトニー家の地下の変態部屋であった。何故か、SMの女王のスタイルになって、ムチを振り回す、トニーが宣言する。
「今日は、僕とキミと、そしてスペシャルゲストとの3Pだ!」
なんとそのスペシャルゲストは、アンドレ・ザ・ジャイアン山である。
「きゃー ヘンタイ!!!!」
キャサリンは、夢中でトニーの股間を蹴り上げ、着のみ着のまま逃げてきたのだ。
「あいつら、必ず追ってくるわ」
「先生。隠れましょう。あの部屋へ」
サヤカが示したのは、立ち入り禁止の博士が眠っている部屋である。
「そこは、あけちゃダメ!」 リコの言葉は、一瞬遅れた。
部屋を開けると、1人の青年が穏やかな表情でデスクに座っていた。
「マコト! ここにいたの!」 とキャサリン
「もしかして、マコト君?」 とリコ
「挨拶は抜きにしましょう。バラク君にジョージ君。こちらの、迎撃態勢は大丈夫ですか?」
「ドス恋バラク。スタンバイオーケー」
バラクとジョージが声を合わせる。
「どっかーーーーーーんんんん」
そのとき、博士の邸宅のドアがぶち破られて、アンドレ・ザ・ジャイアント山が入ってきた。
「我が麗しの花嫁よ! 出てきなさい!」
ヘンタイコスチュームのトニーがよくとおるテノールの声で、歌うように言った。