第6話

文字数 691文字

 このタイトルは……。

 夢で見た様な気がします。

 予知夢という奴でしょうか? 私は、目の前で起こった出来事を理解できずにいた。

 目には見えない列車。夢の国へと運ぶ。

 私は、本を手に取り、中身を見ることもないまま、そのままレジへと持って行っていた。

「ありがとうございました」

 そのまま私は家へと帰宅する。

「早苗、どこに行っていたの?」

「あ、ちょっとそこまで」

 私は、お母さんに適当に相づちをしてから、自分の部屋へと戻る。

 部屋に鍵をしっかり掛けてから、机に向かい本を開いた。

「永遠列車」

 夢の国へと向かう列車。

 その旅は果てしなく続く。あなたが途中下車をしたいと望んでも、降りることは決してできない。ただ、降りたいとも思わないことだろう。なぜなら、その列車の終着駅は天国と呼ばれているところだからだ。

 私は、気がつくと、小さな白い星の様な終点にまで乗車していた。そこには天使たちが、私を出迎えてくれて、歓迎してくれた。

 限りなく、長い旅だった。だが私は、仲間たちとの旅に非常に満足していた。

 その列車の千年間は、至福千年と呼ばれている楽園のたとえである。旅を終えた仲間たちは千年の期間を終えて、下車していった。だが、私はその後も白い星へと移住した。第二の人生の始まりである。

 その列車は、苦痛もなく、穏やかで、まさに至福そのものだった。

 私は、その白い星へと移住して気がついたことがある。ここでは永遠を生きる為の、スタートラインに立たせて貰うことができるということ。

 素晴らしい星であった。

 具体的にどの様にして、その列車に乗れるかということだが……。

 ……。

 私はそこで本を閉じた。
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