解剖所見 真理とサスケの取材簿③

[ミステリー]

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 あなた!考えてから殺しますか?殺してから考えますか?
 集英社ノベル大賞一次選考通過作品。

 大学三年の田村省吾はスナック・スターゲートでアルバイトする看護師・原田明美と相思相愛になり、ともに暮らすことになった。明美の情報で田村は、スナック・スターゲートのバーテンダー・青山が、成田不動産の紐付きでパブ・ブルーマウンテンを開業すると知った。成田不動産の経営者、成田金藏はスターゲートを妻に経営させ、スナック・ルナ、炉端焼き・里子を天野四郎を雇って経営させている。
 明美によれば、天野と炉端焼き・里子のノリコとの間に子供ができて、ノリコは天野に認知を迫っていた。天野にはノリコの他に、スナック・ルナのユミ、炉端焼き・里子のかほるの愛人がいた。
 そんな折、株価暴落で成田不動産が倒産しブルーマウンテンも関連倒産した。雇われ経営者の天野は銀行に交渉し、青山にブルーマウンテンを経営させるため、ブルーマウンテンを含む四店の経営に乗りだすが、青山は天野にブルーマウンテンを買い占められたと勘違いし自殺する。
天野と親しくなった田村が、天野の内縁の妻・セツコの存在を知ったその日、セツコが家出した。その後、田村は腕の筋力異常から筋弛緩剤を服用した。
 その頃、天野の遺体がS川からあがり体内から筋弛緩剤の成分が発見された。
 明美は田村の筋弛緩剤と天野の死に疑惑を持ち田村を問いただすと、田村は戸田雄一と大学で筋弛緩剤を合成したことを打ち明けた。
 天野の内縁の妻・セツコは知人の新聞記者の真理と佐介夫妻に天野の死の真相究明を依頼した。佐介達の取材に、ノリコは青山の弟・和志が天野を恨んで殺害したようにほのめかしと警察を欺いた。
 明美が懸念したように、佐介達の取材から、田村が筋弛緩剤をノリコにゆずり天野を殺害した疑いが浮上した。田村が口封じにノリコを殺害すると判断した警察は、ビタミン剤と偽って筋弛緩剤をノリコに渡した田村を逮捕し、天野殺害容疑でノリコを警察に連行した。全てが、天野が筋弛緩剤で死亡した思いこんだノリコと省吾の計画で、戸田雄一と青山和志もこの計画に荷担していた。
 係長の野本刑事は、筋弛緩剤にこだわった解剖医の解剖所見の見落としに気づいた。
 田村に処方された筋弛緩剤は、二錠の服用で人が死ぬことはなかった。天野の死は急性アルコール中毒によるものだった。
 警察の、報道と大学への人道的な配慮で、事件の関係者は参考人として処理されどこからも非難されずに事件は解決した。

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小説情報

解剖所見 真理とサスケの取材簿③

牧太 十里  makitajuuri

執筆状況
完結
エピソード
36話
種類
一般小説
ジャンル
ミステリー
タグ
相思相愛, スナック, 開業, 炉端焼き, 倒産, 自殺, 筋弛緩剤, 解剖所見, 急性アルコール中毒
総文字数
75,447文字
公開日
2022年08月02日 06:27
最終更新日
2023年05月10日 07:06
ファンレター数
1