第77話 『名探偵津田』第一弾「ペンション連続殺人事件」

文字数 1,393文字

 また懲りずに水ダウの話。
令和5年1月に放送された神回。探偵リアリティーショー?

 正式名称は、『犯人を見つけるまでミステリードラマの世界から抜け出せないドッキリ、めちゃしんどい説』、別名『名探偵津田』。
ノベルデイズ民のみなさま、ダイアン津田はご存じですか? ご存じないですよね。
あの脊髄反射的に行われる雑なキレ芸、大声一本槍の吉本芸人「ダイアン」の津田ですよ。喜怒哀楽が露骨に顔に出てわかりやすいが故に、水ダウの検証に頻出する男。



 偽ロケで山奥のペンションに連れてこられた津田。もう面倒くさそう。
登場人物は女性ディレクターとテレビカメラマン、ペンションオーナー。宿泊客は、登山に来た男性、医者の男性、不動産経営者夫婦。偶然、医者が泊っているというのもお約束。

まずカメラマンがすぐに殺される。包丁をまっすぐに突き立てられたわかりやすい死体。


 早々(はやばや)とドッキリを確信し、半笑いの津田。
そして犯人を探し当てないとロケが終わらないという設定に気づき、うんざりする津田。

(右がディレクター兼助手役の井川さん)

 周囲の人たちはミステリードラマの登場人物として振る舞い、やる気のない津田を探偵役に担ぎ上げ、懇切丁寧にナビゲートする。

 まずはクローズドサークルであることを説明。

「電話線が切られています!」
津田「携帯あるでしょ」


「大変だ、大雨で川が増水した」
津田「いや、小雨やん」
「橋が流されて通れなくなって……」
津田「外で車ぶんぶん通っているやん」

D(ディレクター)「津田さん、整理しますね。外部との連絡、交通が遮断され、このペンションが密室状態になっています。ということは、どういうことですか?」
津田「はい?なんですか?」
D「もう一度言いますね、(略)ということは、犯人は……どういうことですか?」
津田「おおぅ……」
D「もう一度言いますね、(略)ということは、犯人は……どういうことですか?」
津田「あ、犯人はこの中にいる、みたいなことですか?」

(全員が一人ずつアップに。犯人はこの中にいるとテロップ)

 笑っちゃうほどベタなミステリーあるあるな状況の中、ディレクター兼助手役は根気強く津田を探偵役として導く。
津田が「気づき」を得るまで、頑なに同じ言葉を繰り返したり。津田にノートとペンを無理やり渡して、聞き込みをメモさせたり。
誉めて伸ばされる津田。

 次々に起こる殺人事件。もちろんお約束のダイイングメッセージも有り。



 停電だったはずなのに、初老のペンションオーナーが「ポカホンタスを見ていた」というアリバイ証言もあり。(ポカホンタスのチョイス)(俳優さんも笑いを堪えている)
バラエティー要素優先なので、そういった細部がジワる。
警察は一瞬来てすぐに帰っちゃう(笑)


 しぶしぶ探偵役として動くうちに、徐々にノリノリになる男、津田。
「あっ、左ききや!」とか。
 そして最後は高らかに、
「犯人はあなただ!」(なぜか標準語)

 確かミステリーとしては、なかなか凝った復讐劇だったような。私がボケているだけかもしれないけど、最後まで犯人ぜんぜんわからなかったし。
ベタなお約束も楽しめて、本を一切読んでいないような津田の反応がトンチキで、「これはバラエティーの新境地!」と思いました。

 ディレクター兼助手役だった、女優井川瑠音さんの急逝に、ダイアン津田もXを更新。


 次回、ミステリードッキリ第二弾。
需要がなくても好きなので書いちゃった。

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