【捌】警官対穀潰し

文字数 643文字

 普段生活している空間とはいえ、汚職警官とはぐれ女子高生が一緒だと途端に居心地が悪くなるらしく、祐太朗は極まり悪そうに部屋の端に佇んでいた。

「ほんと、クズには勿体ない部屋だな」薦められてもいないのにソファに腰掛ける弓永。

祐太朗は何も答えずにクローゼットに隠してある金庫から二〇枚の一万円札を抜くと、弓永に向かって放り投げた。束ねていない一万円札はまるで霧のように散らばって舞い、落ちた一万円札が床の一部に水溜りを作った。美沙は息を飲んだ。が、弓永は目の前に広がる一万円札の水溜りを、まるでゴミを見るように眺めると、

「何のつもりだ?」

「拾えよ。いつもヤーさんの前に這い蹲って靴を舐めてるんだ、それぐらい余裕だろ」

「あ?」立ち上がる弓永――祐太朗と睨み合う。

 互いに無表情。

 沈黙が靄のように重く圧し掛かる。

 息を飲む美沙。

 弓永が舌打ちをする。

「くだらねえ」弓永は振り返り玄関に向かった。

「いらねえのか?」去りゆく弓永の背中に祐太朗が訊ねると弓永は首を傾け、肩を竦めた。

「いらねぇ。そんな金掻き集めてまで贅沢なんかしたくねえよ。それに生憎、一秒でも早くお前のその下品な面の前からおさらばしたいんだ。だから後で電話を寄越してその子のことを話せ。二日以内に、だ。わかったな?」

「もし電話しなかったら、どうなるんだ?」

「んなこと、いわれなくてもわかるだろ?」

 弓永は足早に部屋から出ていった。

 緊張の糸が切れる音がした。
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登場人物紹介

名前?ーー祐太朗、鈴木祐太朗。

何度も訊くな、マヌケ。

ご無沙汰してます、鈴木詩織です!


あたし個人のことは前回の事件で紹介しましたから割愛しますねぇ!


今回はあまり出番はないかなぁ……


でも、ユウくんも弓永さんも頑張ってるから、今回もよろしくねぇ!

大原美沙でぇす!


17歳、五村城南高校の三年生です!


学校は、、、楽しいよ!友達もいるし、成績は、、、まぁまぁかなwww


好きな物、、、うーん、流行り物には目がないかなぁ?


最近はちょっと疲れてるかも。。。


よろしくね!

野添麻奈美です。


五村城南高校の三年生です。


成績は……、一応学年で三番以内には入っています。


美沙とは小学校からの友達ですが、最近はちょっと疎遠気味かもしれません。


でも、美沙の為ならどんなことでもするつもりです。


だって、美沙はわたしの友達だから……


よろしくお願いします。

ちょwww自己紹介だってwwwマジウケるんだけどwww


結城亜美でぇーす!


ゴムジョー(五村城南)の三年でぇーす!


あたしのことぉ?


亜美って呼んで、よろしく!


てかwww何でそんなこと話さなきゃなのwww

おう、久しぶり!


弓永龍だ。


おれのことは前回話したから別にいいよな。


まぁ、一応いっておくと五村署刑事組織犯罪対策課強行係所属で、階級は警部補だ。


あと、おれは祐太朗のことが嫌いなんで勘違いしないでくれよな。


しかし、酷え世の中になったもんだ。犯罪もどんどん悪質化してるし、親子の関係も変容しちまってよ。


ま、おれには関係ねぇか。


今回もよろしくな!

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