【参】五村イズバーニング
文字数 344文字
五村のストリート――室内よりはマシとはいえ、血液が沸騰するんじゃないかとでも思えるくらい暑い。祐太朗は背中を丸め、肩を落としながら歩いた。
どこか涼しい場所に避難すべきだろうが、パチンコ店や雀荘はもってのほかだ。携帯のGPS機能で祐太朗がどこにいるかは詩織に筒抜け。ギャンブルはやらないと約束している手前、そんな所に入れば、後で何かしらのお咎めがあるのは、いうまでもない。
ギャンブル中毒者の祐太朗にとって、ギャンブルができないことほど苦しいことはない。何か依頼があれば気が紛れるのだが、肝心の依頼も零。そもそも裏の稼業に身をやつしているからには、大っぴらに宣伝もできないのは重々承知だった。
手が震える。口をあんぐり開けたまま祐太朗は辺りを見回した――
どこか涼しい場所に避難すべきだろうが、パチンコ店や雀荘はもってのほかだ。携帯のGPS機能で祐太朗がどこにいるかは詩織に筒抜け。ギャンブルはやらないと約束している手前、そんな所に入れば、後で何かしらのお咎めがあるのは、いうまでもない。
ギャンブル中毒者の祐太朗にとって、ギャンブルができないことほど苦しいことはない。何か依頼があれば気が紛れるのだが、肝心の依頼も零。そもそも裏の稼業に身をやつしているからには、大っぴらに宣伝もできないのは重々承知だった。
手が震える。口をあんぐり開けたまま祐太朗は辺りを見回した――