【弐拾参】準備

文字数 816文字

詩織、祐太朗、美沙の三人は美沙を殺害した犯人の調査に乗り出した。

詩織は五村城南高校に潜入して校内をうろつく浮遊霊及び生徒たちから聞き込みをし、祐太朗は憑依及び、復讐代行の料金を捻出するため、美沙の監視のもとギャンブルに精を出した。が、市場ギャンブルで得られる金など雀の涙ほどでしかない。

それどころか、ギャンブル中毒の祐太朗にとって肝心の資金調達以上に勝負のスリルと勝利の快感が最大の目的となってしまい、負けが続いても次勝って取り戻せばいいと剥きになって破滅的に賭け狂おうとしてしまう。美沙はそんな祐太朗を諌めた。

 パチンコはダメだった。パチンコはその日ごとの釘の調整や出玉の傾向に変化がある。それに、総体的に見ればパチンコで勝ち越すことはまず不可能だ。

競馬や競輪や競艇も、乗り手だけでなく馬や舟や自転車のコンディションもチェックしなければならないし、それが絶対というわけでもないので、どうしても運に頼るバイアスが大きくなる。雀荘で麻雀を打ってもリターンは小さく、大した儲けにはならない。

 そこで祐太朗が向かったのは「闇営」の雀荘だった。

闇営とは呼んで字の如く、闇の中で営業している――すなわち、違法な賭博場という意味だ。

闇営の雀荘ならば、掛け金は青天井だ。ただ、闇営の雀荘も普通の雀荘同様自動卓ではあるが、祐太朗が向かったのは全自動ではない普通の雀卓のある賭場だった。

卓が自動でないーーそれはすなわち、イカサマし放題ということだ。

 祐太朗は多種多様なイカサマを仕掛け、早上がりの連荘を決めると何とかトップ目で半荘三回を勝ち越した。しかし、これが限界だろう。あまり勝ち越して目立ちすぎると、今度は運営に目をつけられて痛い目を見る、と祐太朗は知っていた。

 闇営の雀荘を出ると、祐太朗と美沙は報奨金を確認した。

まだ全然足りない。
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登場人物紹介

名前?ーー祐太朗、鈴木祐太朗。

何度も訊くな、マヌケ。

ご無沙汰してます、鈴木詩織です!


あたし個人のことは前回の事件で紹介しましたから割愛しますねぇ!


今回はあまり出番はないかなぁ……


でも、ユウくんも弓永さんも頑張ってるから、今回もよろしくねぇ!

大原美沙でぇす!


17歳、五村城南高校の三年生です!


学校は、、、楽しいよ!友達もいるし、成績は、、、まぁまぁかなwww


好きな物、、、うーん、流行り物には目がないかなぁ?


最近はちょっと疲れてるかも。。。


よろしくね!

野添麻奈美です。


五村城南高校の三年生です。


成績は……、一応学年で三番以内には入っています。


美沙とは小学校からの友達ですが、最近はちょっと疎遠気味かもしれません。


でも、美沙の為ならどんなことでもするつもりです。


だって、美沙はわたしの友達だから……


よろしくお願いします。

ちょwww自己紹介だってwwwマジウケるんだけどwww


結城亜美でぇーす!


ゴムジョー(五村城南)の三年でぇーす!


あたしのことぉ?


亜美って呼んで、よろしく!


てかwww何でそんなこと話さなきゃなのwww

おう、久しぶり!


弓永龍だ。


おれのことは前回話したから別にいいよな。


まぁ、一応いっておくと五村署刑事組織犯罪対策課強行係所属で、階級は警部補だ。


あと、おれは祐太朗のことが嫌いなんで勘違いしないでくれよな。


しかし、酷え世の中になったもんだ。犯罪もどんどん悪質化してるし、親子の関係も変容しちまってよ。


ま、おれには関係ねぇか。


今回もよろしくな!

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