【弐拾弐】造反ーー死の果てに

文字数 649文字

 マンションに着くと、弓永は何もいわずに去り、残った三人は部屋に入ると、詩織はキッチンで夕飯の支度を、祐太朗はテーブルの前に、美沙はソファに腰掛けた。が、何ひとつ会話はない。詩織は無言で食材に包丁を入れる。

「これからどうする?」祐太朗は神妙な顔つきでひとり悲しげに俯く美沙に訊ねた。

「何が……?」

「このまま終わらせるなんて、我慢できんのか?」

「そんなの……、でも、どうすればいいっていうの……?」

「バカだな。おれはただの無職じゃない。お前の復讐ぐらい、どうにでもできる」

 復讐――そのワードが美沙には気が気でないようで、

「復讐って、わたしを殺した犯人に復讐するってこと? でも……。それにいってたジャン。霊界フィクサーの仕事を引き受けるには、高校生のわたしが払えるようなお金じゃ全然足りないって……」

 復讐代行――それはこの世に未練を残した亡霊たちの恨みを晴らすための最後の手段。

しかし、そのためには未練を残した霊が地獄へいくか、依頼人が死亡するか、莫大な金を払うか、という三つの条件のうちひとつをクリアしなければならない。そして、その条件を無視すれば、霊は地獄へいき、依頼人は仕事を依頼した恨めし屋もろとも謎の死を遂げる。これは恨めし屋の間では有名な話で、詩織も祐太朗もそのことは熟知している。

「心配するな。お前を地獄へ送るような真似は絶対しない」

「じゃあ、誰がわたしの復讐の依頼をするの?」

 祐太朗が親指で自身を指差した。

「おれだ」
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登場人物紹介

名前?ーー祐太朗、鈴木祐太朗。

何度も訊くな、マヌケ。

ご無沙汰してます、鈴木詩織です!


あたし個人のことは前回の事件で紹介しましたから割愛しますねぇ!


今回はあまり出番はないかなぁ……


でも、ユウくんも弓永さんも頑張ってるから、今回もよろしくねぇ!

大原美沙でぇす!


17歳、五村城南高校の三年生です!


学校は、、、楽しいよ!友達もいるし、成績は、、、まぁまぁかなwww


好きな物、、、うーん、流行り物には目がないかなぁ?


最近はちょっと疲れてるかも。。。


よろしくね!

野添麻奈美です。


五村城南高校の三年生です。


成績は……、一応学年で三番以内には入っています。


美沙とは小学校からの友達ですが、最近はちょっと疎遠気味かもしれません。


でも、美沙の為ならどんなことでもするつもりです。


だって、美沙はわたしの友達だから……


よろしくお願いします。

ちょwww自己紹介だってwwwマジウケるんだけどwww


結城亜美でぇーす!


ゴムジョー(五村城南)の三年でぇーす!


あたしのことぉ?


亜美って呼んで、よろしく!


てかwww何でそんなこと話さなきゃなのwww

おう、久しぶり!


弓永龍だ。


おれのことは前回話したから別にいいよな。


まぁ、一応いっておくと五村署刑事組織犯罪対策課強行係所属で、階級は警部補だ。


あと、おれは祐太朗のことが嫌いなんで勘違いしないでくれよな。


しかし、酷え世の中になったもんだ。犯罪もどんどん悪質化してるし、親子の関係も変容しちまってよ。


ま、おれには関係ねぇか。


今回もよろしくな!

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