第9話 第二章 告白
文字数 1,604文字
☆9 第二章 告白
僕は男性である。男子生徒だった僕は高校三年生のとき、後輩の女子生徒に、その後輩の自瀆行為の手伝いを、公共的な場所などでも毎日、させられていた。僕は相手に〈尽くす〉だけで、僕が快楽を得る行為は一切行われなかった。お互いの部屋のなかでは性行為はあったけれども。
直接的に書くと、後輩の下着のなかに手を入れさせられて、僕は僕の指でひたすら、その後輩の陰核を擦る行為を、させられていた。後輩が絶頂を迎えると、その場ではいったん解放されたが、後輩がしたいときにはいつもさせられていたので、一日数回、必ずその自瀆行為の手伝いをさせられるのである。
男性というのは、それでは快楽は得られないのだが、僕が快楽を得る行為がされることは、後輩の自瀆の手伝いのなかでは一度すらなかった。ひたすら〈奉仕〉をさせられていた。毎日、様々な公共的な場所で。僕は欲求不満がたまるが、我慢するしかなかった。
今でこそ女性が男性に強要する、ということもあるという認識が世間に生まれたからこそ語れるが、少し前まで、〈女性〉の〈性〉というものは〈受動的〉だと世間は信じて疑わなかった。要するに、〈男性の僕の方が女性である後輩に性的な行為〉を〈行っている〉という、〈男性〉である僕の〈能動的〉な〈強要行為〉であると思われ、僕が凶悪な犯罪者であるかのように思われていた。その後輩がムラムラしたとき、僕が断ったらほかの男と性行為をしてしまう、という恐怖から、僕は後輩の命令に忠実に従っていた。
彼女からの〈恐怖〉が僕を〈支配〉した。
僕は〈悪人〉に仕立て上げられた。だが、僕にはどうすることも出来なかった。震えながら、後輩が浮気をしないように奉仕をすることしか、僕には出来なかったのだ。
今まで黙っていたが、書く必要があって書いた。
これを書くと、
「この子が悲しむだろ! 消せ!」
と、ナイト気取りで僕に怒鳴って来る男がいる。今も、この後輩と繋がりがあるだろうから、やはり言うだろう。
その台詞だけ切り取れば立派なナイト様だ。だが、こいつがペテンにかけるのが上手い〈詐欺師〉なのを僕はよく知っている。
この後輩との関係にしても、間男のように二人の間に割り込んできて、引き剥がすのに成功し、泣いている後輩と連絡を取り合っていて、まんまと上手く性行為をしているのを僕は知っている。その後輩をキープしながら、刑事・民事訴訟を起こされてしかるべき(実際に起こされたこともある)性行動をほかの女性たちに働いていたのもまた、僕は知っている。
後輩に関して言うのなら、こいつが策略で引き剥がしたのだし、差別発言かもしれないが泣いている女性を口説き落とすのはたやすいし、僕に「悲しむだろ」と怒鳴ることで好感度をさらに上げられるのをこいつはよく知ってやっている。怒鳴るとき関係性を知らない人間がまわりで観ていたら、そいつがさも〈正義漢〉に映り、僕はクズ男で、そして奴のナルシズムは満たされるだろう。詐欺師は最大の効果をどうすれば得られるかの計算が上手く、実行するときのナルシズムも反吐が出るほど計算済みだ。
つまり、狙っていた〈オンナ〉をこの男は僕と別れさせて〈手籠め〉にすることに成功したのだ。
さぞかし美味しい〈食事〉だっただろう、僕という〈ほかの男〉から〈奪い取って〉得た甘美なる性行為は。
僕と後輩の話を語るとき、僕は血反吐を吐く思いで、この男のことも話さないとならない。
今、書いていて気が狂いそうになっているが、僕がこの作品でどうしても書きたかったことのひとつがこの話だ。
やっと書いても信頼性が出るような時代になった。
だから、書こう。この僕の哀しい〈恋〉の顛末を。まずは、一番に書かないとならない僕の〈性〉の物語として。
終わりなき悲しみに僕は陥ったが、僕が死ぬまで追ってきて、平然としながら僕の人生を潰そうとするこの間男の話も含めて。
僕は男性である。男子生徒だった僕は高校三年生のとき、後輩の女子生徒に、その後輩の自瀆行為の手伝いを、公共的な場所などでも毎日、させられていた。僕は相手に〈尽くす〉だけで、僕が快楽を得る行為は一切行われなかった。お互いの部屋のなかでは性行為はあったけれども。
直接的に書くと、後輩の下着のなかに手を入れさせられて、僕は僕の指でひたすら、その後輩の陰核を擦る行為を、させられていた。後輩が絶頂を迎えると、その場ではいったん解放されたが、後輩がしたいときにはいつもさせられていたので、一日数回、必ずその自瀆行為の手伝いをさせられるのである。
男性というのは、それでは快楽は得られないのだが、僕が快楽を得る行為がされることは、後輩の自瀆の手伝いのなかでは一度すらなかった。ひたすら〈奉仕〉をさせられていた。毎日、様々な公共的な場所で。僕は欲求不満がたまるが、我慢するしかなかった。
今でこそ女性が男性に強要する、ということもあるという認識が世間に生まれたからこそ語れるが、少し前まで、〈女性〉の〈性〉というものは〈受動的〉だと世間は信じて疑わなかった。要するに、〈男性の僕の方が女性である後輩に性的な行為〉を〈行っている〉という、〈男性〉である僕の〈能動的〉な〈強要行為〉であると思われ、僕が凶悪な犯罪者であるかのように思われていた。その後輩がムラムラしたとき、僕が断ったらほかの男と性行為をしてしまう、という恐怖から、僕は後輩の命令に忠実に従っていた。
彼女からの〈恐怖〉が僕を〈支配〉した。
僕は〈悪人〉に仕立て上げられた。だが、僕にはどうすることも出来なかった。震えながら、後輩が浮気をしないように奉仕をすることしか、僕には出来なかったのだ。
今まで黙っていたが、書く必要があって書いた。
これを書くと、
「この子が悲しむだろ! 消せ!」
と、ナイト気取りで僕に怒鳴って来る男がいる。今も、この後輩と繋がりがあるだろうから、やはり言うだろう。
その台詞だけ切り取れば立派なナイト様だ。だが、こいつがペテンにかけるのが上手い〈詐欺師〉なのを僕はよく知っている。
この後輩との関係にしても、間男のように二人の間に割り込んできて、引き剥がすのに成功し、泣いている後輩と連絡を取り合っていて、まんまと上手く性行為をしているのを僕は知っている。その後輩をキープしながら、刑事・民事訴訟を起こされてしかるべき(実際に起こされたこともある)性行動をほかの女性たちに働いていたのもまた、僕は知っている。
後輩に関して言うのなら、こいつが策略で引き剥がしたのだし、差別発言かもしれないが泣いている女性を口説き落とすのはたやすいし、僕に「悲しむだろ」と怒鳴ることで好感度をさらに上げられるのをこいつはよく知ってやっている。怒鳴るとき関係性を知らない人間がまわりで観ていたら、そいつがさも〈正義漢〉に映り、僕はクズ男で、そして奴のナルシズムは満たされるだろう。詐欺師は最大の効果をどうすれば得られるかの計算が上手く、実行するときのナルシズムも反吐が出るほど計算済みだ。
つまり、狙っていた〈オンナ〉をこの男は僕と別れさせて〈手籠め〉にすることに成功したのだ。
さぞかし美味しい〈食事〉だっただろう、僕という〈ほかの男〉から〈奪い取って〉得た甘美なる性行為は。
僕と後輩の話を語るとき、僕は血反吐を吐く思いで、この男のことも話さないとならない。
今、書いていて気が狂いそうになっているが、僕がこの作品でどうしても書きたかったことのひとつがこの話だ。
やっと書いても信頼性が出るような時代になった。
だから、書こう。この僕の哀しい〈恋〉の顛末を。まずは、一番に書かないとならない僕の〈性〉の物語として。
終わりなき悲しみに僕は陥ったが、僕が死ぬまで追ってきて、平然としながら僕の人生を潰そうとするこの間男の話も含めて。