第5話

文字数 1,422文字

☆5



 語るには前提が必要だ。
 何故、語れなかったか。
 理由はたくさんあるが、そこからまずは語った方がいいと判断した。
 簡単に述べると、碌でもない奴らはどうして碌でもないか。
 それは、尻尾なんて掴ませないで、自ら手を下さないでひとを死に追いやるなんてことは簡単に出来て、それは世の中日常茶飯事だから、である。君子危うきに近寄らず、とこの僕でもさすがに思うことはあるのだ。
 大雑把に書いていこう。



 創作物、そのなかで〈フィクション〉とは、想像上のものである。但し書きも付いている。だからこんな屋台骨を壊す発言はしてはいけないことだし僕のこれからする発言もフィクションで、現実とは一切関係ない、と但し書きを付けておきたいところで、それを踏まえた上で聞いて欲しい。
 創作物、シリアスなものに限らずエンタメの場合であれ、それはフィクションであるという〈テイ〉にして、〈告発〉を行っている場合がある。
 下品な言葉を使うようだが、例えばエロ漫画。エロ漫画を読むときに、「この作者はなんでこれを描かねばならなかったのだろう」と思ったことはないだろうか。助平だからという理由だけでモチベーションが出来るかというとそうでもないだろう。僕も昔、SMやスカトロジー、同性愛を含む直接描写を詳細に行った小説を書いたことがあったが、書いている最中、狂気に蝕まれそうになった。比喩表現ではない。狂いそうになりながら書いた。
 そういう作品も、あるものだ。これが助平心だけで描けるとでも?
 違うとしたらなんだろうか。たまに、知ることがある。具体的には昔のトラウマなどを昇華させようと試みている、言い換えると、わからないかたちで〈告発〉を行っている、という場合があることに。ただし、そういう場合をたまたま知ってしまう場合があるだけで、「妄想の産物だぜおらああぁぁ!」というスピリットで描くのが大多数だということは前提で、今、そうではない場合のことを書いているだけであることを付け加えておこう。
 エロはエロであり、ある種のエンタメ性が必要であるため、なにかトラウマが潜んでいそうなときも通常そうであるようにありがたがるのは失礼なので、受け手の方も「告発だろうな」と思っても、そんなことを語ってはならず、スルーするのが礼儀だと僕は思う。ただただ、「この〈作品〉、とても良いっすね!」と褒めるのが良い。また、その漫画と似た事件が〈あとで〉起こったときは「漫画を汚すようなこんな事件は許せない!」と怒るのが筋だろう。
 狂気で書くのと同じように「ぶっ殺す!」というのがモチベーションになるときがあるのを忘れてはならない。僕に対してもこれを読んで「ぶっ殺す」と思う人間は多いと思う。仕方がないことだ。ぶっ殺す作品を書いてくれ。そして、読んだら僕はたぶん不可抗力のままで死ぬだろう。僕は殺意だけで死ぬ。
 なお、これを書いている僕は失礼な奴だし、憶測で書いている、という訴えられるような行いをしている。間違わないように。これは僕の〈妄想〉だ! ケースバイケースだ、すべては。事情なんてひとそれぞれで、各々の考えで創作物はつくられている。決めつけはよくない。繰り返すが、創作の動機はひとそれぞれだ、決めつけてはいけない。そしてこの文章の文責は僕にある。あと、本当に怒られるし怒られたことはいろんなひとにたくさんあるので、〈すべては妄想の産物〉だぜ、だから今書いたことは僕の〈嘘〉だ、よろしく頼むぜ。


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